<#ウォッチ 検察庁法改正案>公務員定年延長 廃案へ調整 政府、批判受け方針転換

2020年5月23日 02時00分
 政府は二十二日、検察官を含む国家公務員の定年を六十五歳まで引き上げる一括法案を廃案にする方向で調整に入った。安倍晋三首相は二十二日の衆院厚生労働委員会で、法案を見直す考えを表明した。検察人事に対する政治介入との批判を受け、方針転換を迫られた。安倍政権は高齢者の就労を促し社会保障制度の担い手を増やす全世代型社会保障を看板政策に掲げており、野党は整合性の取れない対応を批判した。 (川田篤志)
 首相は衆院厚労委で「コロナショックで民間の給与水準の先行きが心配される中、公務員先行の定年延長が理解を得られるのか議論がある。もう一度ここで検討すべきではないか」と強調した。
 公明党の斉藤鉄夫幹事長も同日の記者会見で、一括法案に関し「見直すことに反対はしない」と同調した。
 首相が見直しの理由に挙げた新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化は、一括法案が実質審議入りした八日には既に深刻化していた。政府・与党が先週まで衆院で採決を強行しようとしていた姿勢とは、説明のつじつまが合わない。
 三月末には、希望する人が七十歳まで働けるよう企業に努力義務を課すことを柱とした高年齢者雇用安定法などの改正法が成立。高齢者の就業を促す法整備が進んだばかりだった。
 このため、立憲民主党などの野党統一会派で無所属の小川淳也氏は、この日の衆院厚労委で「首相が生涯現役社会を掲げてきたのに政策に一貫性がない」と批判した。
 国家公務員の定年を巡る議論は、これまでも難航した経緯がある。二〇〇八年に成立した国家公務員制度改革基本法は、政府に定年引き上げを検討するよう定め、人事院は一八年、法改正を求める意見書を内閣と国会に提出した。
 これを受け、政府は一九年の通常国会で関連法案の提出を検討したが、同年春の統一地方選や七月の参院選を前に「公務員優遇」との世論の反発を懸念し見送った。

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