衆院選 検証(下)道半ばの野党共闘 「形だけ」の区も禍根残す

2021年11月5日 07時39分

「野党結集!」と書かれたのぼりを掲げる立民候補者の演説には多くの有権者が耳を傾けた=横浜市で

 「比例はれいわでお願いします」−。神奈川2区(横浜市西、南、港南区)の立憲民主元職岡本英子さん(57)は、選挙戦でれいわ新選組の山本太郎代表の応援演説を受けた際、野党共闘を有権者にアピールした。2区は土壇場で共産が擁立を取りやめ、岡本さんを支援。横浜港ハーバーリゾート協会の藤木幸夫会長も岡本さんを支援するなど「共闘の象徴」として戦ったが、結果は惨敗だった。
 候補は一本化したものの、陣営は一枚岩ではなかったのが敗因とみられる。選挙区内の立民市議県議は日頃の政治活動のあり方を巡って岡本さんと対立し、公示前に陣営から離脱。選挙戦で岡本さんを手伝ったのは共産の市議らだった。岡本さんが比例の投票先として「れいわ」を呼び掛けたことも、立民県議は「まずは立民と共産を固めないと」と首をかしげた。
 野党共闘が進んだ今回の衆院選。県内でも十八選挙区のうち2、5、7、8、11、13、14、16の八選挙区で与野党の一騎打ちの構図になり、8、13、16区で野党候補が勝利、5、7区は比例復活した。ただ、奏功しない区は他にもあった。
 自民と立民の候補が一騎打ちで戦ったある選挙区では、立民候補の応援に共産議員が入ることはほとんどなかった。陣営の立民地方議員は、共産と組んだことで従来の支援者が離れることを恐れ「野党共闘をアピールするメリットはない」と、演説で野党共闘を口にすることはなかった。別の立民議員は「一対一の構図だから、共産支援者は確実にこちらに票を入れてくれるだろう」とも。だが、立民はこの選挙区で敗れた。
 意地の張り合いで共闘が成立しなかった選挙区も。3区(横浜市鶴見、神奈川区)では共産が市内で唯一小選挙区の候補者を立て、立民候補とライバル関係となった。共産の田母神悟・県委員長は公示前、立民に候補者取り下げを打診したが、折り合わなかった。志位和夫・党委員長は公示翌日の先月二十日、市内で遊説した際の取材に「それぞれ頑張って自民党に勝つようにする」と強気を見せたが、結果として票が割れ、共倒れした。
 田母神氏は県内唯一の前職を擁立した10区(川崎市川崎区、幸区など)の敗因として、一日の記者会見で「立民の支持層が動かなかった」と指摘し、こう漏らした。「こちらは共闘にあたって誠実に努力した。形だけ共闘を取り繕っても勝てない。本気の共闘という意味で、今回は課題を残した」。道は半ば、禍根は残された。(丸山耀平)
衆院選2021
衆院選2021

関連キーワード


おすすめ情報

衆院選 神奈川の新着

記事一覧