<新型コロナ>最大100万円 持続化給付金 申告の区分で対象外

2020年5月20日 02時00分
 新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが急減した中小企業や個人事業主に政府が給付している「持続化給付金」を巡り、一部の個人事業主が、税務署の指定通りに税務手続きをした結果、給付金をもらえなくなる事態が起きている。制度の改善を求める声がインターネットを中心に広がり、政府も対応を検討している。 (大野暢子)
 給付金をもらえない理由は、制度の規定で、収入を「事業収入」として確定申告した人を支給対象とし、「雑所得」や「給与所得」として申告した人を対象としないため。
 東京都多摩市の広瀬久美さん(44)の夫(51)も給付金をもらえない一人。夫はプロのジャズドラマーで、コロナ禍により三月中旬から秋口までのスケジュールが白紙になった。収入がゼロになり、持続化給付金の窓口に問い合わせたが対象外だと告げられた。
 夫が確定申告を始めた約三十年前、税務署に「出演料は雑所得扱い」と言われて以来、全額を雑所得として申告してきたためだ。広瀬さんは「フリーランスも対象になると聞いて期待していただけに残念だ。生活がかかっている。すぐに補償してほしい」と話す。
 芸能人らの税務経験が豊富な税理士の山田真哉氏によると、事業収入は営利性・継続性などがあるものを指し、雑所得は副業などの所得と位置付けられる。税率は同じだが、事業収入の申告には会計帳簿を作る必要があり、その余裕がない事業主に対し、税務署が雑所得で申告するよう勧めることがあるという。
 契約先が「給与」として報酬を払うため、給与所得として申告する個人事業主もいる。山田氏は「区分にとらわれず、所得全体を見て判断すべきだ」と話す。
 広瀬さんは十八日、雑所得や給与所得で申告している個人事業主への給付を求める約三万七千人分の電子署名を公明、立憲民主、共産の三党に手渡した。
 政府も不備を認める。梶山弘志経済産業相は十九日の記者会見で給付金をもらえない人たちについて「こうした方々の事業継続を支えることは重要な課題だ」と述べ、二〇二〇年度第二次補正予算案に対策を盛り込む考えを表明した。

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