エジプトで女性裁判官の本格任用開始「やっとここまで」第1陣98人「法に男女関係ない」と抱負

2021年11月5日 19時00分
10月下旬、カイロ市内で、行政訴訟を扱う国家評議会の委員長(左)から訓示を受ける女性裁判官たち=蜘手美鶴撮影

10月下旬、カイロ市内で、行政訴訟を扱う国家評議会の委員長(左)から訓示を受ける女性裁判官たち=蜘手美鶴撮影

 【カイロ=蜘手美鶴】女性の社会進出に力を入れるエジプトで、女性裁判官の本格任用が始まった。同国では裁判所は男性の「牙城」とされ、女性裁判官の割合は1%未満。世界的に見ても女性進出の遅れが指摘され、第1陣として任官した98人は「(女性採用が)やっとここまで来た」と喜びをにじませている。
 10月下旬、カイロ市内で任官式が行われ、女性裁判官ひとりひとりが宣誓した。ノハ・タラートさん(32)は取材に「法の世界に男女は関係ない。職務を全うしたい」と笑顔を見せた。
 98人は全員30代で、大学卒業後に弁護士や検事として経験を積んできた女性たちだ。女性裁判官として初めて、行政訴訟を扱う国家評議会に任官する。
 エジプトでは2003年、大統領令で最高憲法裁判所に初の女性裁判官が任官した。以降、数年ごとに弁護士や検事経験のある女性が20人程度採用されてきたが、いずれも大統領令による「特別枠」。今回も同様で、枠は大幅拡大されたものの、男性のように新卒に門戸は開かれていない。
 シシ大統領は女性裁判官の採用を本格化させるとするが、女性団体からは男性と同様に新卒での採用を求める声も強い。「女性が裁判官になれないのは違憲だ」として行政訴訟を起こす裁判官志望の女性もいるなど、課題も残る。
 中東地域で女性裁判官がいないのはサウジアラビアとオマーンのみとされる。エジプトでは刑事事件や経済問題を扱う裁判所に、約150人いるという。

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