北京五輪まであと3カ月、コロナ抑え込みに躍起 人権批判にピリピリ

2021年11月6日 06時00分
北京市で1日、スキー、スノーボードのビッグエア競技会場で写真を撮る市民ら

北京市で1日、スキー、スノーボードのビッグエア競技会場で写真を撮る市民ら

 北京冬季五輪(来年2月4日~20日)の開幕まで3カ月を切った。中国政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んできた厳格な隔離措置を五輪でも取り入れ、有観客での開催を目指す。習近平しゅうきんぺい国家主席の指導力をアピールする思惑が見え隠れするが、足元では感染が拡大するなど不安要素もある。(北京・坪井千隼、写真も)

◆ワクチン接種義務 外出違反には罰則

 「新型コロナウイルスの感染対策は、冬季五輪が直面する最大の課題だ」。大会組織委員会の張建東ちょうけんとう執行副主席は10月下旬、北京での記者会見で感染対策に全力を挙げると強調した。
 北京五輪では東京五輪と同様に、選手など大会参加者と外部の人間を遮断する「バブル」管理方式を採用。10月下旬に公表された「プレーブック(規則集)」によると、原則としてワクチン接種は義務で、未接種者は入国時に21日間の隔離が必要で、東京五輪より厳格だ。東京五輪では選手などのワクチン接種は推奨されたが義務とはせず、接種の有無で隔離期間などの扱いに差は無かった。
 東京五輪では宿舎を抜け出し買い物や飲食に出かける選手が相次ぎ、バブル管理の甘さを指摘する声も上がったこともあり、北京五輪では徹底した管理体制を敷く構えだ。張氏は「処罰規定を厳格に適用する。(違反者は)出場資格取り消しなど、厳重な結果となる」と述べた。

◆「ゼロコロナ」堅持もデルタ株拡大の不安

 欧米ではワクチン接種率の向上や経済活動とのバランスから、ある程度の感染を容認する「コロナとの共生」が主流になってきた。一方、中国では隔離施策や強制的PCR検査などで新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む「ゼロコロナ」を堅持している。
 北京五輪でもその方針で、観客は中国国内の居住者に限って認める見通しだ。ほとんどの会場で無観客だった東京五輪に比べ、より臨場感のある形で北京五輪を開催させれば、国内外に中国共産党式統治の優位性をアピールする絶好の機会となる。習氏はこの成果を引っ提げて来年秋の重要会議、第20回党大会で自身の続投を確実にする思惑とみられる。
 ただ中国では今年10月中旬以降、再びデルタ株の感染が拡大し、800人以上の感染が確認された。このため10月31日に開催予定だった北京マラソンも延期となるなど、感染の抑え込みに躍起だ。

◆欧米で外交ボイコット求める動きも

 新疆しんきょうウイグル自治区や香港などの人権抑圧問題を巡る国際社会の批判も懸念材料だ。10月18日にギリシャであった聖火採火式では中国の人権問題に抗議する活動家らが乱入、警備員に取り押さえられた。
 米バイデン政権の与党民主党のペロシ下院議長や欧州議会からは、中国側が人権問題を改善しない限り政府代表や外交官らが北京五輪に参加しないよう、いわゆる外交ボイコットを求める動きもある。
 こうした動きに中国の王毅おうき外相は10月下旬、「スポーツの政治問題化は、五輪の精神をねじ曲げるものだ」とけん制するなど神経をとがらせている。

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