エジプト、天然ガス車の普及に力 気候変動会議の自国開催でPRに躍起

2021年11月7日 21時31分
2日、カイロ市内で、車に天然ガスを補給するタクシー運転手=蜘手美鶴撮影

2日、カイロ市内で、車に天然ガスを補給するタクシー運転手=蜘手美鶴撮影

 【カイロ=蜘手美鶴】エジプト政府が自動車の二酸化炭素(CO2)排出量を削減しようと、天然ガス車の普及に力を入れている。現在、英国グラスゴーでは国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が開催中で、地球温暖化を招くCO2の削減は重要課題の一つ。エジプトは来年のCOP27開催国でもあり、環境に配慮した施策のPRに躍起になっている。
 今月初旬、カイロ市内の天然ガススタンドには100メートルほどの車列ができていた。タクシー運転手ナーギ・アブアブドラさん(58)は「行列はいつものこと。今日はまだ少ない方だ」と話し、慣れた手つきでボンネットを開けて補給を始めた。燃費の良さから、数年前に天然ガス車に替えたという。
 エジプト政府は今年4月、ガソリン車から天然ガス車に買い替えた人を対象に、最大6万5000エジプトポンド(約47万円)の補助金を給付する施策を始めた。10月末時点ですでに7600台が買い替えられ、さらに3万4000人が購入の順番待ち。今後3年間で25万台の買い替えを促し、15万台を天然ガス車仕様に改造していくという。
 エジプトは2015年、地中海沖で埋蔵量22兆立方フィートの巨大ガス田を発見。天然ガスの純輸入国から自給が可能になり、ガスの値段も大幅に下がった。ガソリンが1リットルあたり約8.25エジプトポンド(約60円)に対し、天然ガスは1立方メートルあたり約3.75エジプトポンド(約27円)と半値以下で、天然ガス車の普及を後押ししている。
 天然ガス車は、ガソリン車よりCO2排出量が約2割少なく、窒素酸化物(NOx)など大気汚染物質の排出量も少ないとされる。エジプトでは人口増加を背景に、都市部での交通渋滞が激しく、大気汚染が深刻な問題となっている。

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