調布陥没 追加ボーリング調査開始 トンネルルート外で初

2021年11月8日 07時06分

市道上で東日本高速道路が始めた追加ボーリング調査=いずれも調布市若葉町で

 東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事の影響で、ルート上の調布市東つつじケ丘の住宅街で市道が陥没したり、地中に空洞が生じたりした問題で、事業者の東日本高速道路などは来年一月下旬までの日程で、ルート東側の若葉町で追加ボーリング調査を始めた。ルート外での本格的な地盤調査は事故後初めて。家屋の壁の亀裂など、広範囲に及ぶ振動被害の原因究明につながるかが焦点だ。(花井勝規)
 調査地点はルートから三十メートルほど東側の若葉町の市道の二カ所。今月一日から、一帯を車両通行止めにしており、それぞれ工事用の仮囲いを設置。地中に杭(くい)状のものを打ち込むボーリング機材が据え付けられた。
 第一弾は、地下三〜五メートル付近にある礫(れき)層までの間を調べる「浅層ボーリング」。両地点の各三カ所に穴をあけ、地中の地盤の様子を分析するために土壌を採取する「コア採取」や、地盤の強度を測る「N値調査」、地中の様子を見るビデオ撮影などをする。第二弾は両地点で地下六、七十メートルまで「深層ボーリング」を行う大掛かりな調査になる。
 東日本高速は調査の理由を「住民の不安払拭(ふっしょく)のため」としているが、住民らの求めで稲積真哉芝浦工業大教授(地盤工学)が行った地盤調査の結果を検証するための意味合いが強い。

亀裂の拡大が目立つ河村さん宅

 ルート周辺四カ所で地下最大約八メートルまでの地盤強度を調べた稲積教授は十月、「広範囲に地盤が緩んでいる可能性」を指摘。とりわけ多数の亀裂が生じている「外環被害住民連絡会・調布」共同代表の河村晴子さん宅=若葉町=では、地下にN値が極端に低い場所が見つかり、稲積教授は「蜂の巣状に空隙(くうげき)(すき間)ができている」と発表した。
 東日本高速はこれまで、地下での掘削工事の施工ミスで「煙突状にルート真上に向かって地盤に緩みを生じさせた」とする一方、「ルート以外の地盤の緩みはない」と主張してきた。
 今回の調査地点の一つは河村さん宅のすぐ脇。若葉町一帯は京王電鉄系の不動産会社が一九六〇年代、水田を土砂で埋めて宅地造成した場所で元々、地盤が軟弱とされる。トンネル工事の振動で亀裂や傾きがひどくなったとの住民らの訴えに、稲積教授は「地下からの振動が軟弱地盤で増幅された」と推測する。東日本高速の調査が被害のメカニズムや原因の究明にどこまで迫れるか注目される。

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