泳いで…ない!? まるで生きている「2.5次元絵画」

2021年11月8日 08時03分

《金魚酒 命名 出雲なん》2019年

 金魚の持つ神秘性に魅了され、創作を続ける現代美術家・深堀隆介の展覧会「金魚鉢、地球鉢。」が、12月2日から上野の森美術館(台東区・上野公園)で開かれる。東京の美術館では初めての開催となる。

Photo by Masaru YAGi

 深堀は、一九七三年愛知県生まれ。愛知県立芸術大学を卒業後、アーティストとしての活動に悩んでいた時期に、自宅に放置していた水槽で生き続けていた金魚の美しさに心を打たれ、金魚をモチーフにした制作活動を始めた。今では国内にとどまらず、ニューヨーク、ロンドンなど海外でも個展を開催し、活動の幅を広げている。
 深堀の創作技法は独特だ。器の中に透明樹脂を流し込み、表面にアクリル絵の具で金魚を少しずつ部分的に描き、さらに樹脂を重ねる。その作業を繰り返し、絵が何層にも重なり合うことで、完成品を上から見たときには、まるで本物のような立体感のある金魚が浮かび上がる仕掛けだ。
 生き生きとしたリアリティーを持つ作品は、平面と立体の境界に揺さぶりをかける「2・5D Painting(二・五次元絵画)」として高く評価されている。
 本展では、樹脂作品のみならず、屏風(びょうぶ)絵やスケッチ、さらに新作の大型アートなど約三百点を展示する。絵画でありながら立体的な躍動感にあふれ、不思議な美しさをたたえた「深堀金魚」の世界を堪能してみてはいかがだろう。

《丹塗り椀 更紗》2011年

 来年一月三十一日まで開催。休館日は十二月三十一日、一月一日。前売り券は、一般千四百円、高大生千百円、小中生六百円で、十二月一日までフジテレビダイレクト、チケットぴあなど各プレイガイドで販売中。最新の情報は公式ホームページ(展覧会名で検索)で。

◆私のイチオシ! 癒やしの異世界アート

 自宅に不相応なほど大きな水槽で熱帯魚を飼っています。気持ちよさそうに泳ぐ姿には日々癒やされます。水槽の中はいわば異世界のアート。深堀隆介展の金魚は、生きているかと見まがうほどのアート作品です。美術館に広がる深堀ワールドの金魚たちにきっと癒やされますよ。 (文化事業部 村田朗麻)

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