<点検「桜を見る会」>1年前の名簿廃棄 野党の資料要求と同日の不自然さ

2020年5月10日 16時16分
 政府は今から一年前の二〇一九年五月九日に、同年四月十三日に開かれた桜を見る会の招待客名簿を、内閣府内の大型シュレッダーで破砕し廃棄したと説明している。会終了から約一カ月後に廃棄することになった経緯には、不自然な点がある。
 政府によると、桜を見る会の招待客名簿は、案内状の発送などのために内閣府が作成。保存期間を「一年未満」とし、目的が終われば廃棄できる扱いとしていた。どんな人物を招待したのかという、会の核心とも言える要素を記録した重要な文書にもかかわらずだ。
 政府側が廃棄の経緯を明らかにしたのは、野党側が名簿の提示を求めたからだ。廃棄したと説明した五月九日は、共産党の宮本徹衆院議員が内閣府に会の関連資料を要求した日だった。野党側は、追及を逃れるために廃棄したのではないかと疑念を深めた。
 安倍晋三首相は国会で「大型シュレッダーの予約を四月二十二日に行い、その空き状況や、担当の障害者雇用の職員との調整を行った結果、使用予定日が五月九日となり、その予定どおり廃棄した。野党議員からの資料要求とは全く無関係だ」と主張した。すぐに廃棄ができない事情があって五月にずれ込み、廃棄と資料要求が同日になったのは偶然というわけだ。
 首相の説明は、障害のある職員が担当したことが廃棄が遅れた理由だとも受け取れたため、当事者からは「障害者をだしに使うな」と批判の声が上がった。 (横山大輔)

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