<新型コロナ>生活保護受給 急増の兆し 申請リーマン上回る可能性 電話相談2日で5000件

2020年5月10日 02時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇や雇い止め、休業が相次ぎ、生活保護受給者が急速に増加する兆しが出ていることが分かった。支援団体が四月中旬に行った電話相談会には事業主などから二日間で五千件超が寄せられた。福祉関係者の間では「リーマン・ショックを超える申請数増加になる可能性もある」との観測が広がる。自殺者が増える懸念もあり、一時的に審査を簡素化するなど、困窮者への早急な支援が急務だ。
 厚生労働省によると、リーマン・ショックが起きた二〇〇八年九月の生活保護受給者は約百五十八万人だったが、一年後には約百七十五万人と一気に約十七万人増加。その後も厳しい雇用情勢が続き、二百万人を突破した。
 ここ数年は人手不足を背景に雇用情勢が改善。寿命の延伸や「無年金」「低年金」問題で六十五歳以上の高齢受給者は増えている一方、全体では減少傾向となっていた。
 四月中旬、全国三十九の団体や弁護士らが実施した電話相談会には、自営業や個人事業主を中心に、わずか二日で五千件超の相談があった。生活費に関するものが半分超の約二千七百件。次いで労働問題(約六百七十件)だった。
 政府の一律十万円給付といった対応策では、収入減を補うのに十分とは言い難い。相談員で社会福祉士の田川英信さんは「最悪の場合、経済苦で自死を選ぶ人もいる。そうなる前に生活保護につなげるよう自治体も積極的に周知するべきだ」と訴える。
 自治体では出勤する職員を減らしているところも多い。担当者からは、申請増が見込まれる中「迅速な支給ができないのではないか」との懸念も出ている。

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