くぼ地を祭祀に利用か 縄文人、一定の規模で土削り 千葉市の加曽利貝塚 27日に現地説明会

2021年11月9日 07時25分

黄色い土の真上にかぶる黒い土を説明する松田光太郎さん=いずれも千葉市若葉区の加曽利貝塚で

 国の特別史跡「加曽利貝塚」(千葉市若葉区)で、8の字形に連なる南北の貝塚のうち、馬てい形の南貝塚の中央部分のくぼ地について、縄文人が意図的に土を削って整備し、祭祀(さいし)などに使っていた可能性があることが、市教育委員会の調査で分かった。くぼ地の形成過程は長年の謎とされており、縄文人による土地造成や掘削の技術を知る手掛かりとなりそうだ。(山口登史)
 加曽利貝塚では二〇一七年度から、市教委が約半世紀ぶりに発掘調査を進めており、昨年度からの第二期では南貝塚で調査が進められている。南貝塚は馬てい形に貝塚が連なり、中央部が緩やかなくぼ地になっている。その形成過程については、縄文人が意図的に土を削り取った「人為説」と、地下水の影響で自然に形成された「自然説」で長年、見解が分かれていた。
 市教委が本年度、くぼ地の一部を掘削したところ、一万年以上前の火山灰でできた地層「関東ローム層」のすぐ上から、約三千年前の黒い土の地層とともに縄文時代晩期の土器などが出土した。約七千年分の地層が消え、不自然に平らな部分や祭事に使われたとされる「石剣」が一度に七点見つかったことなどから、縄文人が土を削って中央のくぼ地を形成し、祭祀を行っていた可能性が出てきたという。

石剣などの出土品

 国内のほかの貝塚や縄文遺跡でも、くぼ地や盛り土のような痕跡が見つかっており、市埋蔵文化財調査センター学芸員の松田光太郎さん(55)は「自然の地形に応じて住むイメージのあった縄文人が一定の規模で土地を改変していた可能性を示す発見であり、類似事例の理解や解明につながるだろう」と意義を説明する。
 貝塚の発掘では、大量の貝殻の上に焼けた土が見つかり、下の地層から竪穴住居跡も見つかった。不要になった住居を縄文人が貝塚に転用後、土で整備し、火をたいた痕跡だとみられる。松田さんは「貝塚が単なるごみ捨て場ではなく、生活の場として使われていたことも分かる」と話す。
 市は、本年度の発掘調査最終日となる今月二十七日に現地説明会を開く。九回に分けて開催し、各回定員は三十人。事前申込制で、加曽利貝塚博物館のホームページなどで十二日まで受け付ける。問い合わせは、同館=電043(231)0129=へ。

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