【動画あり】木下富美子都議が辞職を否定「議員活動で取り返したい」 再選後初めて公に姿 無免許運転で人身事故

2021年11月9日 21時02分
 7月の東京都議選の期間中に無免許運転で人身事故を起こしたとして書類送検され、都議会から2度の辞職勧告決議を受けた木下富美子都議(55)=元都民ファーストの会、板橋区選挙区、現在は1人会派=が9日、再選後初めて登庁した。報道陣の取材に「議員活動の中で答えを導き出したい」として、議員辞職を否定した。(加藤健太、小倉貞俊、土門哲雄)

記者団の取材に応じる木下富美子都議=東京都議会で

 木下氏は事故を公表しない状態で再選された。報道で発覚してからは体調不良を理由に都議会の全ての会議を欠席していた。所属する委員会に出席するため約4カ月ぶりに公の場に姿を見せた。
 木下氏は取材に「多くの皆さまにご迷惑をかけた。免許は再取得せず、運転はしない」と陳謝。進退について「辞職を求める声があるのは承知している」とした上で、「批判を受ける一方で続けてほしいという声があるのも事実」と、議員を続ける考えを示した。

◆自民は委員会開催を拒否

 新たな任期開始後に支払われた議員報酬(月額81万7600円)の3カ月分は「NPO法人などの団体に寄付した」などと説明。同じく3カ月分の政務活動費計150万円は都に返還するとした。
 木下氏はこの日、都議会の要請に応じて三宅茂樹議長らと面会。三宅氏は「辞職するべきだ」と求めたが、木下氏は応じなかった。

議長らと面会中の木下富美子都議=東京都議会で

 都議会は7月と9月に辞職勧告決議をしているが法的拘束力はなく、木下氏は応じていない。都議会自民党は「2度の辞職勧告を受けている議員が質問するのは納得しがたい」として、この日に木下氏が出席して開かれる予定だった公営企業委員会の開会を拒否した。

◆「説明責任果たしていない」 辞職否定に批判相次ぐ

 無免許運転で人身事故を起こした木下都議が9日、ごく短時間の正副議長との面会や報道陣への対応で議員辞職しない考えを表明したことに、主要会派の都議からは「説明責任を果たしていない」と批判が相次いだ。都議会で2度の辞職勧告決議を受けた木下氏に対し、所属する委員会への出席を「認められない」との声も噴出。予定していた公営企業委員会が開かれない異様な事態になった。
 「失われた信頼を回復することは大変厳しい道のりと覚悟しているが、ひとつひとつ議員活動の中で答えを導き出したい」。木下氏は三宅茂樹議長らとの約10分の面会後、報道陣の取材に終始うつむき、声を震わせながら議員辞職を否定した。
 「免許は再取得せず、運転はしない。事故の車は既に処分した」と頭を下げた木下氏。「1期目の4年間、弱い立場の方々の声に耳を傾け、課題解決につながるよう努力してきた。続けてほしいとの声があることも事実」と意欲を述べた。
 ただ「無免許でなぜ運転したのか」との質問には、「捜査で聴取を受けている。現時点ではお話しできない」と回答を避け、取材対応も約10分で立ち去った。
 この後、木下氏が所属する公営企業委が、議事手続きを協議する理事会を開くはずだったが、自民都議が「2度の辞職勧告決議を受けた当事者。議員として委員会で質問するのは納得しがたい」と指摘。他会派の理事も退席し、理事会を開けなくなった。
 各会派幹部らは本紙の取材にさまざまな声を漏らした。同委員会の大山とも子委員長(共産)は「このままでは理事会を開けない。委員会が止まってしまうのは異常な事態」と危惧。公明幹部は「そもそも議員としての資質に問題があり、辞職を勧告した」と説明し、立憲民主幹部も「引き続き辞職を求める立場に変わりはない」と述べた。木下氏が所属していた都民ファーストの会幹部は「委員長がどう対応するか見守るしかない」と話した。

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