<新型コロナ>緊急事態延長 支援の具体策示さず 飲食店の賃料負担軽減、学生の援助急務

2020年5月5日 02時00分
 新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言の延長で、外出自粛や休業要請が続く。安倍晋三首相は四日の記者会見で、現金給付や無利子融資といった支援策をアピールし、国民に理解を求めた。飲食店の賃料負担の軽減や困窮する学生への援助といった追加策に取り組む姿勢も示したが、具体策はこれから。国民の不安解消には至っていない。 (村上一樹)

■追加給付に含み

 首相は追加経済策を次々と挙げた。一律十万円の給付について「一日も早くお届けしたい」と強調。追加給付にも「事態の推移、状況を十分見極めながら判断したい」と含みを持たせた。業績悪化した企業が従業員を休ませた場合に支給する「雇用調整助成金」も、上限引き上げを強調した。
 休業中の飲食店など、減収を余儀なくされ家賃の支払いができない事業者への支援や、アルバイト先の休業で経済的に困窮する学生への支援にも前向きな考え方を示した。

■事業者補償は慎重

 だが、そうした提案だけで、国民の支持を得られるとは限らない。
 中小企業や個人事業者からは「自粛と補償はセットで」との声が上がる。首相は「苦しみは痛いほど分かる」としながらも、これまでの無利子融資などを挙げ「これらの支援策でなんとかしのいで」と補償に否定的な姿勢を崩さなかった。
 十万円支給が大型連休後の八日までに始まるのは、全国約千七百の市町村のうち、わずか三十余。政府は五月中の支給を目標にするが、都市部では六月になると説明する自治体もある。
 雇用調整助成金の上限は従業員一人当たり、日額八千三百三十円。野党は大幅引き上げを求めており、今後、政府が示す額で折り合えるかは見通せない。首相は家賃支援や学生支援について「与党の検討を踏まえ、速やかに追加的な対策を講じる」としたが、与党の議論本格化はこれからだ。
 布マスクの配布も遅れている。妊婦用の布マスクでは汚れや異物混入が相次いだ。全世帯向けマスクでも不良品が見つかって回収や検品に追い込まれ、予定していた五月中の配送完了は困難だ。

■罰則に含み

 さらなる私権制限の動きもある。一部の知事や西村康稔経済再生担当相は、感染拡大を早期に終息させるために新型コロナ特措法を改正し、知事の休業指示に従わない事業者に罰則を設ける必要があると訴える。西村氏は四日の参院議院運営委員会で「国民が連帯して対応している時に(指示に従わないことは)あってはならない」と語った。
 首相は記者会見で「さらなる私権制限を行うための立法措置は、感染状況でどうしても必要な事態が生じる場合は当然検討される」と説明。直ちに法改正を行わないものの、将来の可能性は否定しなかった。

関連キーワード

PR情報

政治の最新ニュース

記事一覧