福島の教訓は次世代へ 東日本大震災10年 都内で復興イベントを開催

2021年11月10日 22時05分

シンポジウムで「震災の記憶と福島の今」について発表する、あさか開成高校の生徒たち=10日、東京都新宿区の日本青年館で(中西祥子撮影)

 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故からの復興を支援するイベント「東日本大震災から10年『復興の軌跡とこの先の挑戦』」(東京新聞、福島民報社、城南信用金庫など共催)が10日、東京都新宿区の日本青年館で開かれた。福島県内の首長や高校生らが参加し、復興の現状や課題について思いを語った。
 内堀雅雄知事は「復興は完了形ではなく、現在進行形。困難や逆境を克服するために挑戦し続けないといけない。みなさんと頑張りたい」とあいさつ。西銘恒三郎復興相は「震災の記憶の継承に取り組む」などとメッセージを寄せた。
 続いて、全町避難が続く双葉町の伊沢史朗町長が「住民が戻れる状況になった時に向けて、企業誘致や災害に強い街づくりを進めている」と紹介した。飯舘村の杉岡誠村長は「避難から戻ってきた人や移住してきた人が農業、畜産業の再生に取り組んでいる。夢のあるふるさとをつくりたい」と意気込んだ。いわき市の内田広之市長と矢祭町の佐川正一郎町長も復興の取り組みを振り返った。
 若者の代表は郡山市のあさか開成高校に通う宍戸永実えいみさん、中野希瑛きえさん、須藤聖菜さん、大和田麗さん。市外からの避難者を支援するボランティア活動などを通じ「震災の教訓を忘れず、次の世代につなげる使命感を持った」などと振り返った。日本青年団協議会の伊藤加奈子常任理事も復興の取り組みを紹介した。
 作家の柳田邦男さんは講演で「大変な時代で、困った時や災害時に助け合える地域社会をつくることが大事だ」と訴え、絵本の読み聞かせを通じた教育を呼び掛け。アナウンサーによる、震災を題材にした絵本「きぼうのとり」の朗読も行われた。
 主催者を代表して菅沼堅吾・中日新聞東京本社代表は「思いを新たに復興に向けて力強く歩み続ける、挑戦し続ける。この場がその決意の場、第一歩になる」と語った。

◆フラガール、つのださん 復興願い 歌って踊って

フラダンスを披露するスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム

 イベントの第3部では、被災地を勇気づけた温泉施設スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)ダンシングチームが、たおやかなフラダンスを披露した。
 メンバーのワイオリ涼子さんらが色鮮やかな衣装に身を包み踊った。アップテンポの曲がかかると、踊りもダイナミックに。司会者は「指先から足の先まで優雅な動きでした」と称賛した。

常磐炭坑の応援歌「若きいのち」を熱唱するつのだ☆ひろさん(左)ら=いずれも10日、東京都新宿区の日本青年館で

 続いて、ステージ「常磐炭坑の歌再び」。福島県出身の歌手つのだ☆ひろさんが、スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産の前身「常磐炭こう」の社歌「我等われらの力」、同社野球部などの応援歌「若きいのち」などを熱唱した。2曲とも同じく福島県出身の故古関裕而ゆうじさん作曲。
 ♪誇りも高き黒ダイヤ おおさんたり常磐炭礦我等の力。初代フラガール山野辺京子さんや常磐興産の西沢順一社長らも壇上で歌い、山野辺さんは「八十三歳。頑張りますよー!」などと声を上げた。(小坂井文彦)

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