<コロナ 医療を守ろう>在宅療養、装備も人材も不足 「在宅ケア」議長・新田医師に聞く

2020年4月30日 02時00分

在宅療養の問題について話す日本在宅ケアアライアンス議長の新田國夫医師=東京都国立市で

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、在宅療養中の要介護者や認知症患者らの医療も逼迫(ひっぱく)している。全国十九の関係団体でつくる「日本在宅ケアアライアンス」の議長を務め、在宅療養に詳しい新田國夫医師に装備や人員の確保、PCR検査拡充の必要性などを聞いた。 (妹尾聡太)
 -在宅療養の現場が直面している問題は。
 「医師や訪問看護師、ホームヘルパーに医療用ガウンなどの装備が行き渡っておらず、患者が発熱してもすぐに訪問できない。がん患者や高齢者は新型コロナでなくても発熱することが多いのに、迅速に診断、治療できなくなっている」
 -現場の感染リスクをどう捉えているか。
 「病院だけでなく在宅療養も新型コロナ対応の最前線だ。要介護者や家族、ヘルパー、看護師、医師ら多くの人が住宅に出入りし、誰もが感染する危険性がある。『アライアンス』は感染予防の手順を守ることなど、在宅ケアサービス提供者の行動方針をまとめた」
 -在宅療養者が感染しても治療できるか。
 「入院治療は必要だが、病院やホテルでの長期隔離は厳しいだろう。認知症患者だと環境に適応できず、大声を出すといった周辺症状を起こしかねない」
 -医療や介護に従事する人たちの負担は。
 「在宅療養に携わる診療所や介護施設の事業者は、スタッフに少しでも体調不良があれば感染を疑い、自宅に待機させている。もともとの人材不足がさらに深刻になっている」
 -解決策は。
 「PCR検査を拡充し、防護具の供給を増やすことだ。今は保健所や拠点病院に負担が集中して検査が滞っている。地域の臨床経験が豊富な医師が、在宅療養を通じて病院を含めた地域医療を守る必要がある」
<にった・くにお> 医療法人社団つくし会(東京都国立市)理事長。全国在宅療養支援診療所連絡会会長、日本臨床倫理学会理事長などを務める。

◆発症2日前/1メートル以内/15分以上会話 濃厚接触者の定義を変更

 新型コロナウイルス感染症の患者と濃厚接触したと判断される人の基準が変更され、対象者が広がりました。濃厚接触者は二週間の自宅待機となるなど生活に大きな影響があります。どう変わったのでしょうか。
 Q 新たな濃厚接触者の定義を教えて。
 A 患者が発症する二日前から、一メートル程度の距離で、マスクをせずに十五分以上会話した場合などが該当します。従来は患者の「発病した日」以降で距離は「二メートル程度」でしたが、該当範囲を変更し、新たに「十五分以上」という時間の基準も設けました。
 Q なぜ変わったの。
 A 患者が症状の出る前に他人にうつしているケースが判明してきたためです。世界保健機関(WHO)も、発症二日前から感染する可能性を指摘し、日本の国立感染症研究所も二十日に定義を変えました。
 Q 濃厚接触者となる目安は。
 A 一メートル以内でマスクをせずに十五分以上会話した相手が、二日以内に発症したら、濃厚接触者と判断されますが、マスクをしていれば該当しません。マスク無しでも、一メートル超離れている場合は濃厚接触には当たりません。
 Q 濃厚接触者と判断されたらどうなるの。
 A 保健所から十四日間の健康観察と自宅待機を求められます。普段から会話時はマスクをして相手と一メートル以上の間隔を空けることや、交流にはオンラインを活用することなどが大切です。 (村上一樹)

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