<11日に考えた>野生キノコの出荷自粛要請相次ぐ 新たに5市町村、基準超の放射性物質

2021年11月11日 08時01分
 2011年の東京電力福島第一原発事故から今年3月で10年を経過したにもかかわらず、群馬県は10月、野生キノコ類から放射性物質を基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えて検出したとして、新たに5市町村で出荷自粛を相次いで要請した。県は出荷の制限や自粛要請が出ている地域内で、安易にキノコ狩りして食べないように注意を呼び掛けている。(菅原洋)
 県は原発事故後、例年夏ごろに県内の全市町村に野生キノコの検体を提出するように依頼し、秋にモニタリング検査してきた。
 今年はこの結果、九月下旬〜十月上旬に採取した野生キノコ五品から同一一〇〜五一〇ベクレルを検出。十月八日に中之条、草津町と片品、川場村で野生キノコ全種類の出荷自粛を要請した。
 さらに、同月中旬に採取した野生キノコ一品から同一九〇ベクレルを検出し、同二十二日にみどり市で野生キノコ全種類の出荷自粛を要請した。
 基準値の超過は、半減期が約三十年と長いセシウム137を多く検出したのが主な要因。県によると、野生のキノコや山菜類は放射性物質の影響を受けやすいという。県林業振興課は「野生キノコが採取できるような県内の山間部は、放射性物質の除染がほとんどされていない。今年はキノコの成長が例年より良いとされ、基準値の超過が相次いだのでは」とみている。
 放射性物質の検出に伴う対応には、県による「出荷自粛要請」と、国がその後に状況を判断して指示する「出荷制限」がある。
 県内の野生キノコでは、今回の出荷自粛要請は原発事故の翌年に出荷制限が出て以来になる。県内では現在、野生キノコ全種類で既に、七市町村で出荷制限が出ている。この他、県は今年五月、野生ワラビでも合併前の旧沼田市域で出荷自粛を要請。野生山菜類ではタケノコ(マダケ)、タラノメ、コシアブラが県内の各市町村で出荷の制限や自粛要請が継続している。
 栃木県内の各市町村でも、野生のキノコや山菜類で出荷の制限や自粛要請が続いている。
 同課によると、農産物の直売所では、出荷者や販売者に検査を依頼し、基準値超過の物が店頭に並ぶ恐れは基本的にはない。ただ厚生労働省によると、近年はインターネットオークションやフリーマーケットアプリで販売された野生山菜類から基準値超過も確認され、注意を喚起している。
 同課は「農家が栽培したキノコ類などは厳重な検査をしていて安全だ。ネットでの出荷には困っており、県のホームページで出荷の制限や自粛要請の状況を確認してもらいたい。放射性物質の影響は長く残るため、今後も気を付けてほしい」としている。

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