首相、コロナ対応に差 困窮学生・中小の家賃 救済前向き/臨時交付・金医療物資 追及かわす

2020年4月28日 02時00分
 緊急事態宣言が全国に発令された後、安倍晋三首相が出席した初の本格論戦が二十七日、衆参両院で始まった。首相は新型コロナウイルス感染拡大の影響で入学金や授業料の納付が難しくなっている大学生の救済に前向きな姿勢を示す一方で、要望や批判が強い臨時交付金増額やマスクの品薄解消では従来の説明を維持。一人一律十万円や中小企業への二百万円支給を急ぐ方針を説明し、理解を求めた。 (後藤孝好、村上一樹)

■意 欲

 「意欲ある全ての子供たちがしっかり学びを続けることができるよう全力で取り組んでいく」。首相は衆院本会議で、困窮学生らの支援への意欲を強調した。
 アルバイト先の休業で収入がなくなったり、親の減収や失業で仕送りが減ったりして学費が払えず、退学を検討する学生の急増が問題になっている。首相は、四月から始まった高等教育無償化の新制度について「感染拡大の影響を受けて家計が急変した場合、それを加味して判定する」と対象拡大に言及。入学金や授業料の納付猶予、減免する学校への助成にも言及した。

■共 通

 売り上げ減少で家賃が重荷になっている中小企業は少なくない。首相は「切実な声を聞いている」として飲食店などへの支援を表明。家主に賃料の支払い猶予などを要請していると明らかにした。
 家賃負担の軽減が不可欠との考えは与野党共通だが、手法が異なる。与党は賃貸物件に入居するテナントに直接補助を出す方法を想定するのに対し、立憲民主党などの会派は政府系金融機関による貸し付けを検討。自民党の岸田文雄政調会長は家賃支援よりも補正予算案に盛り込まれた施策を優先する考えも示しており、今後の協議が難航する可能性もある。

■拒 否

 感染症への対応遅れなど、政治責任が問われかねない課題では、首相は野党の提案を突っぱねた。
 自治体から額の少なさを指摘されている一兆円の臨時交付金に関しては「リーマン・ショック時の交付金と同じ規模となる一兆円の予算を確保した」と増額要求を拒否。自治体の判断で自由に使えると利点をアピールした。感染を調べるPCR検査をすぐに受けられない現状に不満が高まっていることには「一日二万件への増加を行う」と従来通り説明した。
 マスクの品薄も解消されていない。立民などでつくる会派で無所属の馬淵澄夫衆院議員は、政府が配布した布マスクを巡り「カビや不良品の発見で一時停止。場当たり的な対応は枚挙にいとまがない」と追及した。首相は、医療物資が不足する病院には直接届けているとした上で「マスクなどは企業に増産や輸入拡大をお願いして、供給量の確保に取り組んでいる」と述べるにとどめた。

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