<差別なき社会へ>「排除」に抗し、尊厳ある生を 「非平和」から平和を考える写真展 市平和館で来月12月5日まで

2021年11月12日 07時14分

ホームレスの人たちが日常を撮った作品に「人間味も感じてもらえれば」と話す川崎市平和館の暉峻さん=中原区で

 安全に生きる権利を侵される人々の姿を伝える写真展「非平和展」が、川崎市平和館(中原区)で開かれている。インドのコロナ危機や中国・香港で非民主化に抗議する人たち、保護を求める在日難民など、十六のテーマで展示。「コロナ禍で広がる『排除』に抗し、誰もが尊厳を持って生きられる世界への転換を考える一助となれば」と同館では話している。(安藤恭子)
 「非平和」は、戦争や環境破壊、差別など社会構造を含むさまざまな「暴力」で、尊厳のある生が損なわれた状態を指すという。社会における「排除」も暴力の一つ。「コロナ禍のような災害時には『仕方がない』と、暴力の行使を支え、助長する言説も起きやすい。それにあらがいたいと企画した」と市平和館の暉峻(てるおか)僚三・専門調査員(55)は言う。
 国内外のフォトジャーナリストらが、二〇一四年以降に撮影した写真パネル約六十点を展示。コロナで医療崩壊し一つの病床を二人で使うインドの病院や、米国で前大統領の差別扇動を背景にアジア人が殺害されたヘイトクライムを悼む人たち、名古屋の入管施設で収容中に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの笑顔の遺影などを題材にした。
 大阪市の認定NPO法人「Homedoor」の協力も得て、排除される側になりうるホームレスの人たちが「心が動く瞬間」を撮った作品十点も紹介。地面に近い目線から、穏やかに眠る仲間の姿や、テントそばにたたずむ猫などの日常が写し出されている。
 非平和展は入場無料、十二月五日まで(月曜日と十一月十六日は休館)。難民認定申請中の在日ミャンマー人家族を描いた映画「僕の帰る場所」(藤元明緒監督)の上映会も二十日午後二時から、開かれる。
 上映会は事前申し込みが必要。問い合わせは市平和館=電044(433)0171=へ。

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