<新型コロナ>旅行クーポンや観光地PR 補正予算案に「時期尚早」項目

2020年4月25日 02時00分
 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急経済対策となる総額二十五兆円超の二〇二〇年度補正予算案には、観光や飲食、イベントの振興といった項目が盛り込まれている。日々の資金繰りに悩む中小企業や個人事業主への救済策が十分ではなく、有識者は時期尚早の内容が目立つとして、「本末転倒」と指摘する。
 安倍晋三首相は新型コロナウイルスの感染拡大について「長期戦も予想される」と認める。大型連休中には「ビデオ通話を使用したオンライン帰省をするなど外出自粛への協力をお願いしたい」と呼び掛ける。
 だが、経済産業省は感染終息後に観光業や外食産業などを後押しする「Go To キャンペーン」を展開。旅行や飲食店、イベントを予約すると、最大で半額に相当するクーポンやポイントがもらえたり、割引が適用されたりする内容で、一兆六千七百九十四億円を計上。休業要請に応じた事業者への協力金や支援金への活用を認めた自治体への臨時交付金一兆円を上回る額だ。
 内閣府も、医療設備の乏しい離島が観光客に訪問自粛を呼び掛けているのに「離島来訪促進事業」(五・六億円)に取り組む。
 政府は水際対策として外国人の入国規制を強めるが、国土交通省は訪日客回復のプロモーションに九十六億円を計上。航空会社に国際線再開を働き掛けるほか、会員制交流サイト(SNS)で「活気を取り戻した日本の観光地」をPRする。
 総務省の元官僚で政策コンサルタントの室伏謙一氏は「中小企業は今日、明日の資金繰りに困っている。政府は補正予算案を緊急経済対策と位置付けているのに、緊急ではない事業が多すぎる」と、不要不急の項目があると指摘。明治大の田中秀明教授(財政学)は「今回は財源が青天井で、各省がさまざまな理屈を付け、予算を取ろうとした。効果をチェックする必要がある」と話す。 (山口哲人)

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