朝ドラ「カムカムエヴリバディ」 最初のヒロイン役、上白石萌音 とにかく生きる

2021年11月13日 07時33分

「母親を演じ、わが子に愛情を注ぐ時間は忘れられないものになった」と話す上白石萌音

 NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」がスタートした。昭和、平成、令和の三つの時代をラジオ英語講座と生きた三世代の女性による約百年の物語で、三人がヒロインを演じる“朝ドラ”初の試みだ。初代ヒロインの橘安子を演じる上白石萌音(23)は「安子編は『とにかく生きる』という話。命をつないで子を育てる人間の根源と、家族を描いて(次のヒロインに)つないでいます」と語る。 (上田融)
 三千人を超えるオーディションで憧れの朝ドラヒロインをつかんだ。自身では納得いく演技でなく、へこんでいた中での吉報で「びっくりしました」。三ヒロインのトップバッターだが「考え出すと押しつぶされそうなため、とにかく安子を大切に生きることに集中した」という。
 安子は、日本でラジオ放送が始まった一九二五(大正十四)年生まれ。十四歳の時、英語を話す大学生の稔(松村北斗)と出会い、教わったラジオ英語講座を熱心に聴く。
 自身も子どものころ、家族でメキシコで暮らした。「現地の子たちと話したい一心でスペイン語を覚え、当時はペラペラでした」。その体験も踏まえて「好きなこと、楽しいことって、どんどん入ってくる。安子は英語にもその先にいる稔さんにも魅力を感じていたから、上達する要素はたくさんあったと思います」
 だが、安子も家族も戦争の波にのまれ、敵国語の英語の講座は中止となる。「歴史でみると本当に激動の時代。でも、そこで生きている人には一日一日が大事で、楽しい時間も幸せな瞬間もあったと思う。台本が日常生活を丁寧に描いているので、私もそこを丁寧に演じたいと思いました」
 自分なりの時代考証で、故郷・鹿児島の祖父母に戦争体験を尋ねた。「食べ物が少なかったこと、空襲警報が怖かったこと、戦場に人を送り出して悲しかったこと、いろいろ話してくれました。歴史じゃない、現実なんだと感じました」。安子が縫う千人針は祖母も経験があった。祖母の昔の写真で安子が着るような服を見つけ、いっそう実感が湧いたという。
 「安子は一見ほわっとしているけど、強くて行動力があって一度決めたら曲げない。母親になってからは顕著で、自分より周りに愛を注ぐ。本当にすてきだと思う。私もそうなりたい」と思い入れを語る。
 最初の舞台の岡山。「岡山弁は、すごくなまっていると思いきや、すごく標準語のところがあったりして難しかった。岡山出身の(父親役)甲本雅裕さんが『わしがずっと岡山弁でしゃべるけえ』と言ってくれて、外堀から埋まっていきました」と笑う。
 主題歌を歌うAI(アイ)は同じ鹿児島の出身。「うれしい時も悲しい時も寄り添ってくれる歌。あの歌声に力をもらえる朝になると思います」と話す。

関連キーワード


おすすめ情報

芸能の新着

記事一覧