鉄道車内の防犯カメラ設置率に差 本紙が首都圏12社にアンケート 車外で即時確認は3社のみ 警察官の乗車は7社

2021年11月14日 06時00分
 首都圏の主な鉄道会社12社の車両内への防犯カメラ設置率は4~100%と大きな差があることが、本紙のアンケートで分かった。車外の指令所で映像を即時に確認できる機能を導入しているのは3社だったが、京王線や小田急線などで乗客が被害に遭う事件が相次ぎ、検討を始める会社もある。また、全社が社員か警備員を乗車させて警戒しているが、警察官の乗車は7社だった。(加藤益丈)

東急電鉄が車両内に設置した蛍光灯と一体型の防犯カメラ。ほぼリアルタイムで車内の映像を指令で確認できる=東急電鉄提供

◆京王は17%、京急は4%

 JR東海に東海道新幹線の車両について、他の11社には全車両について、車両の総数や防犯カメラを設置している車両数などをアンケートで尋ねた。
 2週間前に事件が起きた京王電鉄の車内の防犯カメラの設置率は17%。8月に乗客刺傷事件が起きた小田急電鉄は全車両では21%で、特急ロマンスカーは83%の車両に設置している。
 東急電鉄は100%。東京メトロは車両数を明らかにせず「約40%」と回答。京成電鉄は全車両では34%で、特急スカイライナーは全車両に設置している。

 設置率が4%と最低だった京急電鉄は、設置が進まない理由を「既存車両は設置工事が必要で施工中に車両が活用できなくなるため」と答えた。新車両には基本的に設置する方針で、事件を受け「駅間の長い列車を中心に車内の警備巡回を強化している」とした。
 JR東日本の在来線は78%だが首都圏に限ると100%。新幹線はJR東日本、JR東海とも100%。

◆警官乗車、未実施社も「検討中」

 車外の指令所で映像を即時に確認できる機能があるのは、JR東日本の新幹線は85%、東海道新幹線と東急は100%。東急は東京五輪・パラリンピックに向け、蛍光灯と一体型で、通信機能を備えたカメラを設置した。蛍光灯を取り換える要領で3カ月間で設置を終えたという。

東急電鉄が車両内に設置した防犯カメラに映るイメージ


 設置していない会社のうち京王、京急、西武鉄道、小田急、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)の5社は「設置を検討している」と回答した。相模鉄道は「総合的に研究中」、東京メトロは「他社の動向を踏まえ勉強していきたい」と回答した。
 また、警察官が車両に乗車しての警戒は、東武鉄道など7社が実施していた。実施していない5社も「実施を検討する」と回答した。社員か警備員を乗車させての警戒は、東海道新幹線と東京メトロ、つくばエクスプレスが「全車両で実施」、他の9社も「一部の車両で実施」と回答した。
 乗客が車両内の異常を運転士や車掌らに伝える非常通報装置は、全社が「全車両に設置している」と回答した。

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