「社会の閉塞破る将来像を」 若者に政治参加を促す「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんに聞く

2021年11月14日 06時00分

一般社団法人「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん(本人提供)

<検証・野党共闘㊦>
 先の衆院選で、自民、公明両党の与党に対抗するため、立憲民主党や共産党などが多くの小選挙区で候補者を一本化した野党共闘。与野党が1対1で対決する構図に持ち込むことで、立民が小選挙区で議席を増やし、一定の成果を得たが、比例代表は伸び悩んだ。
 立民の枝野幸男代表が衆院選敗北の責任を取って12日に辞任。来夏の参院選に向けて野党の連携はどうあるべきか、本紙は3人の識者らにインタビューした。
 ―先の衆院選は戦後3番目の低投票率だった。
 「若い世代にとって、与党も野党も上の世代が政治をやっているように映り、みんな同じようで違いが見えづらい。立憲民主党も共産党も政治を変えると言うけど、党首らは変わらず、本当に変えられるのかなと思った。野党が対立軸を示せず、受け皿になりきれていないから投票率が上がらないように感じる」
 ―野党共闘が受け皿にならなかった理由は。
 「『反自公政権』というだけで、共通ビジョンが見えなかった。小選挙区の候補一本化は大事だけど、そもそも投票用紙に野党と書けないわけだから、有権者へのメッセージとして野党共闘と打ち出すことがおかしい。何年かごとに政権交代が起きる国なら、そんな言葉にはならなかったと思う。野党マインドが染み付いてしまっていたのでは」
 ―野党共闘でジェンダー平等や消費税減税などの共通政策を掲げたが。
 「バラバラに並べただけで、全体像が分かりにくかった。ジェンダー平等や気候変動対策など、社会的な課題は底辺でつながっていて、それらの課題が解決されることは、人にとって、経済にとっていいこと。自民、公明両党の与党とは違う社会、経済のあり方を『1枚の絵』で見たかった」
 ―野党の訴えが若者らに響いていない。
 「自分たちの負担が減るのかどうか、社会保障や外交は大丈夫かという疑念がぬぐえていない。何となく自民に任せるしかないという消極的支持がほとんどではないか。選挙戦で争点となった『分配』も、今、生活に困っている人への対応は当然必要だけど、20年後、30年後の将来が不安だと思う人たちには施策として伝わらない」
 ―求められる政策は。
 「ジェンダー平等や気候変動対策など世界的に叫ばれている課題を反映しようとはしているが、与野党とも声になっていない社会へのもどかしさや不安を拾えていない気がする。格差が広がる中、自助が先に来る自民の保守政治に対抗して、より再分配機能を強め、さまざまな自由を保障するために生活の安定を確保するといったリベラル勢力の対抗軸が必要ではないか」
 ―来夏の参院選に向けて野党はどうあるべきか。
 「野党には権力監視の役割はあるが、与党を責めるだけではなくて、いかに自民がつくってきた社会に問題があり、自分たちはどんな社会をつくるかを見せるのが大事。経済成長しないと私たちの世代に果実は来ないという自民と同じ土俵に乗るのではなく、社会の閉塞感を打開する将来像を違う形で示してほしい」(聞き手・市川千晴)

 のうじょう・ももこ 1998年生まれ。大学時代に若者の投票率の高いデンマークに留学中、「NO YOUTH NO JAPAN」(現在は一般社団法人)を発足させた。若者の政治参加を促す情報をオンラインを中心に発信している。慶応大院で財政学を専攻。

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