AIも悩む局面、絶妙な読み 藤井竜王 史上最年少四冠 「指すごとに新しい発見」

2021年11月13日 21時55分

感想戦で対局を振り返る藤井聡太新竜王(右)と豊島将之前竜王=13日夜、山口県宇部市で(代表撮影)


 「自分の足りないところを感じたシリーズだった」―。偉業を達成した直後も、まず反省を口にした。13日、山口県宇部市で行われた竜王戦第4局を制し、19歳にして172人いる現役棋士の頂点に立った藤井聡太四冠。謙虚な表情は感想戦で一変した。超難解な終盤戦を楽しそうに検討する姿は、将棋への純粋な好奇心に満ちていた。(樋口薫)

◆「目標は変わらず強くなること」

 第4局は先手の豊島将之前竜王の注文で、両者得意とする「角換わり」の戦型に。2日目午後、持ち時間が10分を切った藤井四冠は自玉の危険を承知で飛車を成り込んだ。詰むのは先手玉か、後手玉か。人工知能(AI)ですら形勢判断の針が定まらない大激戦となった。豊島前竜王は長考の末、決戦に出たが、藤井四冠は針に糸を通すような絶妙の詰みを読み切った。豊島前竜王は自玉の詰みを悟り、潔く投了した。
 記者会見では、長時間の対局の疲労にもかかわらず明るい表情を見せた。史上最年少の四冠達成、序列1位については「光栄だし、身の引き締まる思い」としつつも「目標は変わらず強くなること」と、従来の姿勢を強調。「今期は結果を出せているが課題も多く、常に危機感を持っている」と気を引き締めた。
 王位戦から叡王戦、竜王戦と、豊島前竜王との3連続のタイトル戦は11勝3敗と大きく勝ち越した。それでも「気づいていない好手を指されることが多かった。勉強になった」と振り返った。最後に、自身にとって将棋とは何かと聞かれた藤井四冠。「本当に奥が深くて、どれだけ考えても分からない。指すごとに新しい発見を与えてくれるもの」と目を輝かせた。

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