【動画あり】デジタル民主主義って何?電子投票、高齢者スマホ教室…市民主体の新しい政治や政策の仕組みを考える 

2021年11月18日 16時00分
 政治や行政をデジタル技術の力で身近な存在とし、多様でより良い社会を目指す「デジタル民主主義」をテーマにしたパネルディスカッション「デジタル民主主義って何?新しい政治や政策の仕組みを創ろう!」が10月22日、開催された。茨城県つくば市でのインターネット(電子)投票の実証実験や、石川県加賀市での高齢者を対象にしたスマートフォン(スマホ)教室などの取り組みが紹介され、デジタル技術と民主主義の可能性について議論した。(サンデー版編集部・安藤美由紀)

「デジタル民主主義」をテーマに行われたパネルディスカッション=東京都千代田区の中日新聞東京本社で

 パネルディスカッションは、本紙サンデー版大図解の「デジタル民主主義」(9月5日付)にコメントを寄せた専門家らでつくる任意団体「デジタル民主主義研究会」と合意形成のためのプラットフォーム(PF)を開発する「Liquitous Inc.」(株式会社リキタス)の共催で開かれた。

◆「市民による意見表明の場が広がる」

栗本拓幸さん

 討論会では、主催者のリキタス代表取締役CEO(最高経営責任者)の栗本拓幸さんが、同社が開発するインターネット上で政策のアイデアを出し、市民らが討論、最終案を決定する仕組みを説明。デジタルの活用で、自治体が平日に開催する会議などに出席できなくても議論に参加できるなど、市民らによる意見表明の場が広がる可能性を指摘した。
 議事録など記録が残り、透明性も高まる。栗本さんは「自分が声をあげたら、こういう風な政策になる。ほかの人はこう考えているなど分かれば、主権者意識が育つ思う」と民主主義の発展につながるとの考えを示した。

◆「地域が地域に教える仕組みを」

山本祥子さん

 加賀市政策戦略部スマートシティ課の山本祥子主事は高齢者に対し、マイナンバーカード対応スマホ購入の助成とレクチャー「スマホ教室」をセットで案内していることを紹介。最近では教室の卒業生がボランティアでレクチャーする側に回るなど、市民に交流が生まれている点を報告した。山本さんは「地域の人が地域の人に教える仕組みをつくりたい」と語った。

◆「行政コスト削減につながる」

森祐介さん

 スマホを使った行政手続きなど数々の先進的な取り組みを行っているつくば市からは、森祐介政策イノベーション部長が登壇。現段階では公職選挙法の規定でできないものの、市長選や市議選で導入しようとしている電子投票について解説した。
 森さんは、電子投票が導入されれば①若者や80歳以上の高齢者など投票所に足を運びにくい世代の投票率が上がる②将来的な開票所の廃止で大幅な行政コストの削減になる点を強調した。現在は高校の生徒会選挙などで実証実験をしている。森さんは「主権者教育やブロックチェーン(BC)などの仕組みを学ぶワークショップと一緒に開催して理解を広げている」と話した。

◆ネット署名「行政側からも回答を」

武村若葉さん

 オンラインの署名サイト「Change.org Japan」(チェンジドットオーグジャパン)カントリー・ディレクターの武村若葉さんはネット署名が従来の枠組みにあてはまらない声を届けている現状を報告した。武村さんは「署名を提出して終わりではなく、行政の担当者らから回答をもらうことにも力入れたい」と強調した。

◆専制主義との対比で、積極議論を

コーディネーターを務めた城西国際大学大学院研究科長の鈴木崇弘特任教授

 司会を務めた鈴木崇弘・城西国際大学大学院研究科長・特任教授は「デジタル化にはさまざまな意見や議論があるが(中国などでみられる)専制主義との対比のなかで『デジタル民主主義』の可能性を積極的に対応していかないと、民主主義はより困難状況に向かわざるをえない」と話した。
パネルディスカッションの動画は東京新聞チャンネルで視聴できる
サンデー版大図解「デジタル民主主義」はこちらから。
パネルディスカッション参加者の資料は以下を参照。

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