接触「8割」削減はなぜ必要? 7割ではだめなの? <Q&A>

2020年4月14日 11時51分
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は人と人との接触機会を平常時より「極力8割」の削減を最終目標に掲げ、法律に基づく緊急事態宣言の対象となった東京など7都府県の住民に協力を呼び掛けています。接触の8割減が必要とした経緯をまとめました。 (川田篤志)

 Q 八割削減の方針はいつ、誰が打ち出したの。
 A 安倍晋三首相が改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言発令を表明した七日の記者会見で「人と人との接触機会を最低七割、極力八割削減できれば、二週間後には感染者の増加をピークアウト(これ以上は上昇しないという段階に)させ、減少に転じさせることができる」と話し、初めて八割削減の目標を掲げて国民に呼び掛けました。屋内での近い距離での会話や満員電車などを避ける必要があります。
 Q 目標の根拠は。
 A 厚生労働省クラスター(感染者集団)対策班の北海道大の西浦博教授(感染症疫学)による試算です。数理モデルと呼ばれる手法が使われています。これまでの調査で、感染者一人が平均して二・五人にうつすとされており、これを一人以下に抑え込めば急速な感染拡大を防げると分析。夜の街への外出など必ずしも要請に従わない人が一定数いることも考慮して計算し、接触を八割減らせば感染拡大が減少に転じるとはじき出しました。
 Q 七割ではだめなの。
 A 政府の諮問委員会の尾身茂会長は接触削減の効果に関して「八割だと二週間、七割だと二カ月以上かかる」と話します。一割違うだけで感染防止の効果は大きく異なるとの分析です。
 Q 政府は現状をどう認識しているの。
 A 西村康稔経済再生担当相は十二日のNHK番組で、七都府県での削減幅が六~七割にとどまるとの懸念を示しました。十三日の参院決算委員会では、八割削減について「完全に達成しなくてはいけない目標であり、これができないと、結局はだらだら長く続いて、終息まで時間がかかってしまう」と実現への取り組みを強く求めました。
 Q なぜ最初から八割が目標と言わなかったの。
 A 西浦教授は自らのツイッターで「七割は政治側が勝手に言っていることで、私は一切言及したことがありません。八割が絶対必要という主張をしてきました」と説明しています。政府も八割は「並大抵なことではない」(首相)と認めています。接触削減と社会経済活動の維持を両立させようと「最低七割」と幅を持たせた可能性があります。

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