コロナ下の忘新年会 どうする 店選び、換気を重視 小型扇風機持参も

2021年11月16日 10時02分
 もうすぐ師走。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いている中、同僚や友人との忘新年会を考えている人もいるだろう。一方で流行の「第六波」への懸念から、大人数での会食をためらう声は根強い。官民問わず、日常生活の回復に向けた取り組みが少しずつ進む中、宴席と感染予防を両立するポイントを聞いた。 (植木創太)
 民間の調査会社「東京商工リサーチ」(東京)は十月上旬、忘新年会の開催について調査を実施。それによると、回答した八千社のうち70・4%が「開催しない」意向を示した。宴会を避ける傾向は依然として強いが、昨年末の同様の調査からは二割以上減った。
 新型コロナは、飛沫(ひまつ)に加え、口や鼻から出て空気中に浮遊するウイルスを含んだ微粒子「エアロゾル」を介して感染。小さく軽いエアロゾルは空気中に漂い、遠くまで到達する。飲酒を伴う懇親会が危険なのは、酔ってマスクをせずに大声で話したり、混雑した狭い場所に長くとどまったりするためだ。
 感染制御学が専門の愛知県立大教授、清水宣明さん(61)によると、宴席での感染リスクを下げる最大のポイントは換気。窓や扉を複数開けたり、換気設備を増やしたりして「空気の通り道」をつくっている店を選べば、感染者の呼気を吸い込む確率は低くなる。
 個人の対策としては、携帯型の小型扇風機を持参するといい。自分と他人の間に置き、風が直接当たらないよう羽根を斜め上に向ければ、手軽に「空気の壁」をつくれる。相手の呼気も自分の呼気も吹き飛ばし、店の空気の通り道に乗るようにするのが大事だ。厨房があって熱がこもりやすい飲食店の換気設備は一般の家庭より性能が高い。清水さんは「周囲の空気が常に入れ替えられていれば、家で飲むより安全」と話す。
 マスクを外している間は小声で話す、箸や皿の使い回しをしないのは基本だ。通常できていることも、酔うといいかげんになりがちなため、深酒は避けた方が無難。席が入り乱れるなど、対策が徹底されなくなったら散会のタイミングだ。
 開催前は、参加者一人一人が健康をチェックすることが大切。発熱や喉の違和感、下痢といった症状が少しでもあるなら、出席しないのが鉄則だ。地域の感染状況を注視し、拡大傾向になったらためらうことなく延期や中止を検討したい。
 次の宴席までは十日ほど間隔を空けることが必要。新型コロナは、感染から十日〜二週間でウイルスの排出が終わり、人にうつす可能性がなくなるためだ。
 政府は、ワクチン接種歴や検査の陰性証明を提示すれば行動制限が緩和される仕組み「ワクチン・検査パッケージ」を近く導入する方針。この仕組みを活用すれば、現在、原則四人以内とされている飲食店利用時の人数制限もなくなる。
 冬場は室内にいる時間が多く、ただでさえ新型コロナをはじめ呼吸器感染症が広がりやすい。清水さんは「第六波が来ても、ワクチン接種や個人の感染防御のスキルアップでできるだけ小さい波に抑えることが大事」と指摘。「年末年始は、コロナ下でも平穏な生活を送れるかどうかが問われる機会」と強調する。

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