人手不足で使用病床は5、6割「行政と医療機関の連携不足」 新型コロナ分科会が第5波検証

2021年11月16日 21時24分
集中治療室(ICU)で新型コロナウイルス感染者の治療にあたる医療従事者ら(一部画像処理)

集中治療室(ICU)で新型コロナウイルス感染者の治療にあたる医療従事者ら(一部画像処理)

 政府が16日に開いた新型コロナウイルス感染症対策分科会で、今夏の第5波までの医療提供体制の問題点を検証した資料が提出された。入院できない患者が相次いだ背景として、都市部の一部自治体が公表した確保病床数が実態と「乖離かいりしていた」ことがあると問題視。行政と医療機関の連携不足が影響した、と分析している。(池田悌一)

◆「病床使用率80%程度が運用の限界」

 検証資料では、一部の自治体が、コロナ病床を用意する具体的な方針を医療機関に速やかに示せず、「発症初期の患者への支援が遅れ、重症者数の増加を招いた」と指摘している。
 また、人手不足などから確保病床の50~60%程度しか使えず、入院できない患者が多発したとして、「実効性のある確保病床数ではなかった」と批判。受け入れ態勢には余裕を持つことが必要だとして、「病床使用率80%程度が運用の限界だと共有することが重要」と強調した。
 検証資料をまとめたのは、神奈川県の医療危機対策統括官で藤沢市民病院副院長の阿南英明氏と分科会メンバーら。阿南氏はこの日の記者会見で、「もともと行政は細かい病床の運用を指示したことがなく、対応しきれなかった。行政と医療機関の密なコミュニケーションがないまま、確保病床数の数字が積み上げられてしまった。反省すべきことだ」と指摘した。
 その上で「病床の確保は行政と医療機関の約束事にすることが重要だ。今回の反省点を第6波の対策に生かしてほしい」と求めた。

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