<点検 桜を見る会>安倍前首相の前夜祭「私物化」の実態、ずさんな公文書管理など連載バックナンバー一覧

2020年11月24日 10時38分
 時の首相が、各界で功績があった人たちを慰労するため、毎年4月に東京・新宿御苑で催してきた「桜を見る会」。安倍晋三前首相は、自らの後援会関係者を大勢招待し、都内の一流ホテルで格安の前夜祭も行うなど、「私物化」していた実態が判明し、世論の強い批判を受けています。政府が推薦者名簿の一部を白塗りして国会提出するなど、公文書の扱いも問題視されています。多岐にわたる問題点を整理し、不定期連載「点検 桜を見る会」として掲載しています。(肩書、年齢などは紙面掲載時)

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」で最初に問題視されたのは、規模の肥大化だった。第二次安倍政権の下で、参加者数や関連支出は膨張を続けた。

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡っては、首相や与党の推薦で招待した「政治枠」の増加が、全体の招待客数を押し上げたことも問題になった。

 「桜を見る会」の参加者や支出額が年々増加してきた背景に、安倍晋三首相が会を自身の支持拡大のために「私物化」してきたのではないかとの疑惑がある。首相が会の前夜に「前夜祭」と称し、東京都内で地元支持者らとの懇親会を毎年開いてきたことは、そうした疑惑を象徴する

 安倍晋三首相の後援会が「桜を見る会」前夜に東京都内のホテルで毎年開いてきた懇親会。首相は後援会の主催としながらも、ホテルと会費の支払い契約を結んだ「主体」は、あくまで個々の参加者だったと主張している。後援会の指示に従って会費を払っただけの参加者が「ホテルと契約した」との解釈は不自然だが、首相は国会答弁でこの説明を繰り返している。

2019年4月、主催した「桜を見る会」であいさつする安倍晋三首相(中央、当時)

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡っては、公文書管理の問題も大きくクローズアップされている。首相が地元支持者を多数招いて会を私物化したかどうかを検証する証拠となるはずの招待客名簿は、会の開催から短期間で廃棄したと政府は主張している。

 「桜を見る会」の招待客名簿に関しては、第二次安倍政権が発足した後の2013~17年の名簿の存在を管理簿に記載していなかったことや、廃棄の際に首相の事前同意を得ていなかったことが発覚した。菅義偉官房長官は一月の記者会見で、これらの文書の取り扱いが公文書管理法に違反すると認めた。

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡っては、磁気治療器の預託商法を展開し、巨額の負債で経営破綻した「ジャパンライフ」の元会長が、2015年に招待されていたことも問題として浮上した。

 「桜を見る会」の公文書管理を巡っては、政府が名簿資料の一部を「白塗り」で隠して国会に提出したことも問題になった。野党は「改ざんだ。白塗りでは記載があったことも分からない」と批判する。

 「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたかどうかが話題となったことをきっかけに、政府が閣議決定をして用語の定義をゆがめる事態にも発展した。 菅義偉官房長官は昨年十一月下旬の記者会見で、反社会的勢力の用語について「定義が一義的に定まっているわけではない」と言い切った。

 「桜を見る会」の昨年の招待客名簿について、政府は、紙の文書を昨年5月9日に廃棄したと説明している。この日は野党議員が関連資料の提供を求めたのと同日だった。名簿には電子データもあったが、菅義偉官房長官は、電子データは紙の廃棄と前後し5月7~9日に削除したと説明。復元もできないという見解を示し続けている。

 「桜を見る会」に招待を受けた安倍晋三首相の地元支持者ら一行が、入場の際に優遇されていたとの疑念を深める事実が明らかになっている。首相は毎年、会場の新宿御苑(東京都新宿区)が開門する午前8時半より前に会場入りした支持者らと記念写真を撮影していた。

 首相推薦の招待客の優遇、関連する公文書の取り扱いをまとめた。

 「桜を見る会」の前夜に安倍晋三首相と地元支援者が東京都内で開催した懇親会を巡っては「明細書の発行を受けていない」などとする首相の主張を、開催ホテル側が否定した。野党は首相の虚偽答弁の可能性を指摘している。

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に関しては、悪質なマルチ商法だとして2017年に消費者庁から業務停止命令を受けた暗号資産(仮想通貨)販売会社「48(よつば)ホールディングス」(札幌市)の役員が、会に出席した際の写真を組織的な会員勧誘に使っていたことも、本紙の取材で判明した。

 安倍晋三首相は、自身の後援会が「桜を見る会」前夜に東京都内のホテルで毎年主催した懇親会に関し、出席した首相の支持者らが一人五千円の会費を支払って料金をまかなったと説明している。野党側は、高級ホテルで酒食が提供されるのに五千円の会費は割安だとして追及している。

 政府は今から1年前の2019年5月9日に、同年4月13日に開かれた桜を見る会の招待客名簿を、内閣府内の大型シュレッダーで破砕し廃棄したと説明している。会終了から約1カ月後に廃棄することになった経緯には、不自然な点がある。

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