中央区副区長の吉田不曇氏が5期目続投へ 在職20年の是非「経験に期待」「開発中心の区政を進めた」

2021年11月18日 06時00分
銀座の街づくりを話し合うシンポジウムに登壇した中央区の吉田不曇副区長=2013年

銀座の街づくりを話し合うシンポジウムに登壇した中央区の吉田不曇副区長=2013年

 東京都中央区の山本泰人たいと区長(73)は18日開会する区議会定例会に、今月末で4期目の任期が満了する吉田不曇うずみ副区長(75)の再任を求める人事案を提出する。22日にも本会議で採決され、最大会派の自民などの賛成多数で同意される見通し。副区長の任期は4年。区のナンバー2を20年間務めることになるが、長期在職には批判の声も上がる。(井上靖史)
 吉田副区長は1970年入庁。ほぼ一貫してまちづくりの仕事を担い、2005年、現在の副区長に当たる助役に就任。矢田美英よしひで前区長の下、地価高騰で人口流出が進んだ中央区に超高層マンションを呼び込む再開発事業に力を注いだ。
 1990年代の後半にピーク時(1953年、17万2000人)の半分以下にまで減った人口を現在の17万人強までV字回復させた。
 銀座の景観維持のため建物の高さを56メートル以下に制限する「銀座ルール」を定めた2006年の建築条例改正でも中心的な役割を果たした。区役所内では「豪腕」と呼ばれてきた。
 自民区議団の礒野忠幹事長は「晴海地区の五輪選手村の跡地がマンションとして分譲され人口が増えることになる対策や、築地市場跡地のまちづくりをどうするかといった課題が中央区にはある。吉田副区長の経験には期待したい」と話す。
 一方、4年前も吉田副区長の再任案に反対した共産の小栗智恵子区議は「予算に占める土建費の割合が大きすぎる。開発中心の区政を進めてきた人を続けさせるのには反対」との姿勢を示した。
 全国市長会は副区市長の再任回数についての集計は行っていないが、2期程度で代わることが多い。首長が交代するときは去就を共にすることもあるが、吉田副区長は、8期で引退した矢田前区長の後継として19年に初当選した山本区長から続投指名を受けた。

◆2期ぐらいにとどめて

 新藤宗幸・千葉大名誉教授(行政学)の話 議会や区民、役所内を押さえる根回しの役割を果たしていると思う。選挙で直接選ばれているわけではないので2期ぐらいにしておかないと誰が実権を握っているか分からなくなり、その人の顔色をうかがう内向き組織にもなりやすい。任命する区長、判断する議会の見識が問われる。

◆既得権生まれやすい

 八田進二・青山学院大名誉教授(ガバナンス論)の話 なぜ長くなるかといえば上に立つ人が楽だからだ。トップがお飾りになり裏表まで知る実務型の人に任せ切ってしまいがちになる。実質的な権限を持つフィクサーのような存在が生まれると、既得権や利権も生まれやすい。長くて3期が妥当だ。持続的な役所運営のために区長には次の人材を育成する義務もある。

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