「英検受験料引き下げを」 高校生がネット署名で教育格差の広がり訴え

2021年11月19日 06時00分
 実用英語技能検定(英検)の検定料値上がりが続き、受験者の経済的負担が増しているとして、東京都内に住む高校生が、日本英語検定協会に検定料の値下げを求めるインターネット署名を続けている。検定料は2021年度も新型コロナウイルス禍での試験会場の確保などを理由に値上げされており「経済的な格差が学びの格差につながってはいけない」と賛同を募っている。 (小松田健一)

インターネット署名を呼び掛けるホームページの一部

◆値上げは「会場コストや感染防止策のため」

 署名を呼び掛けるのは高校3年の上野さん(18)。今年2月の値上げ発表の直後、ツイッターに値上げに抗議する書き込みがあることに気付いた。上野さんは高校受験で英検を利用した経験があり、関心を持ったという。
 8月下旬に署名活動を始めると受験生や保護者らから反響があり、18日現在で約6900人が署名した。
 そもそもなぜ値上げしたのか。協会は取材に、本会場として学校などを借りる交渉がコロナ禍で難航し、民間貸会議室での会場設置が増えてコストが上昇したと説明。会場の感染防止策や、受験者数増に伴うスタッフ増員の費用もかさみ、値上げしたとする。
 値上げ幅は7段階ある級ごとに異なり、協会が直接設ける本会場を利用する場合、1300~2300円のアップ。高校生の受験が多いとされる2級は7400円(20年度)から9700円(21年度)に、準2級は6900円(20年度)から9200円(21年度)に上昇した。
 上野さんは「コロナ禍でアルバイトのシフトを減らされるなど、経済的苦境に陥っている受験生には大きな負担」と批判。感染対策のコスト増という説明にも「消毒液設置や検温が不十分といった話を、受験者から直接聞いた」と明かす。

◆「英検は安価に手が届く学びのチケット」

 多くの大学が学校推薦型選抜や総合型選抜で、出願資格や合否判定の優遇措置などに英検を利用。英検取得は大学を目指す際の必須条件になりつつある。それだけに値上げを「足元を見られているように思える」と上野さんは話す。
 協会によると、検定料を安くする方法に「準会場」の活用がある。英検2級以下で学校や塾など団体受験する場合に設け、全国約2万カ所を登録。検定料は本会場に比べて2級は3200円安く、設置団体に所属しない受験者も利用できる。協会の担当者は「受験者への周知を図りたい」とする。
 上野さんは「準会場は協会職員が運営に直接関与しないので、公正な検定ができない可能性もある」と不安を漏らす。「英検は安価に手が届く学びのチケットだったはず。受験者の立場に立った検定にしてほしい」と言葉に力を込めた。
 署名サイトは「教育格差を広げる #英検の値上げに抗議します」で検索。年内に1万人を目標とし、協会へ届ける予定だ。

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