外国人にも住民投票権認める条例案めぐり、対立 松下市長「外国籍の人を排除する理由見いだせない」

2021年11月19日 06時33分
 要件を設けずに外国人の投票を可能とする住民投票条例制定を目指す武蔵野市。最近、市役所前では排外主義的な主張を唱えるグループが反対の声を上げており、これを批判する人たちの活動も行われている。
 条例案の内容は、松下玲子市長が十二日の定例記者会見で明らかにした。週明けの十五日以降、市役所前に条例制定に反対するグループが訪れ、街宣車や拡声器で「ここは日本だ。外国人参政権につながる住民投票条例阻止」などと主張を繰り返している。
 十七日には、これに反対する人たちが「差別主義者は出ていけ」と拡声器で対抗した。武蔵野署員や市の警備要員らが配置される中、市民らは通り過ぎていた。
 条例案は、市内に三カ月以上住む十八歳以上なら外国人にも住民投票の投票権を認める内容。可決されれば、外国人に在留期間などの要件を設けない条例としては国内三例目となる。十九日開会の市議会定例会で審議される。
 松下市長は十二日の会見で「市民参加を進める手段の一つに住民投票制度を加えるのが目的で、外国籍の人を排除する合理的理由は見いだせない」と説明していた。(花井勝規)

市民有志 賛成の声明

 武蔵野市の住民投票条例案を巡り、市民有志らが十八日、市内で記者会見し、賛成する声明を発表した。市議会定例会への議案提出に反対する街宣車などの活動中止も求めた。
 声明は、東京大名誉教授の上野千鶴子さんやノンフィクション作家の沢地久枝さん、市にゆかりのある弁護士、大学教授、映画監督ら十六人の連名。条例案について「定住する外国籍市民の意思が市政に反映されることは、地方自治、住民自治をさらにあるべき姿に発展させる」と評価して賛成を表明した。市議会への提案を巡り「断念させようと市役所などに街宣車が押し寄せ、大音量で騒ぎ立てる威迫的行動が行われている」とし「暴力的行動の中止と排除」も呼びかけている。
 会見に出席した高木一彦弁護士は「反対運動が目立ちがちだが、圧倒的多数の人は冷静に見ている。賛成の声もあることを知ってほしい」。看護師でコラムニストの宮子あずささんは「認めたくない人がいることは分かるが、議会で議論すればいい。選挙権と混同して誤解したり、文面が出ただけで感情的に理性を欠く人がいる」と話した。(宮本隆康)

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