災害弱者ら 防災力強化 荒川流域8区の住民 ネットワーク設立へ

2021年11月19日 06時35分

広瀬実行委員長(左)と原田さん=板橋区で

 各地に甚大な被害をもたらした二〇一九年十月の台風19号で、氾濫リスクが高まった荒川周辺八区の住民が、水害などの災害に備える「荒川流域防災住民ネットワーク」を設立する。自治体の枠を超えた協力関係を築いて課題や取り組みを共有し、防災力を強化する。二十一日には初会合が板橋区内で開かれる。(中村真暁)
 ネットワークは荒川周辺の墨田、江東、北、荒川、板橋、足立、葛飾、江戸川各区の町会や障害者団体、高齢者団体など約五十団体で構成。参加団体を増やしながら自助や共助の力を高め、行政にも必要な取り組みを働き掛ける。
 記録的な大雨をもたらした台風19号では関東、東北地方を中心に百四十カ所で堤防が決壊、多くの死者が出た。荒川の岩淵水門付近(北区)も氾濫危険水位まであと五十三センチに迫った。
 板橋区内ではその後、住民らが防災学習会を重ねた。荒川流域一帯が被災する可能性もあり、その備えには地域間連携が重要だとして、区内の各種団体でつくる「SDGsいたばしネットワーク」などが、各地の団体に連携を呼び掛けた。
 一つの課題は、災害弱者とされる障害のある人たちで、九、十月には、脳性まひで四肢障害がある板橋区の原田華代さん(61)=SDGsいたばしネットワーク=らが、区内の知的障害者や身体障害者、その家族らにアンケートを実施。計四百五十人が回答した。
 避難指示が出た場合の避難行動を尋ねると、避難所に「一人で行く」と答えたのは二十八人で、「行きたくない」が十六人、「行けないと思う」が九十一人、「同行者がいれば行く」が百七十四人。家へ安否確認に来てくれる人がいるかどうかは「はい」が百九十四人、「いいえ」が百十一人だった。
 原田さんは「同行者がいれば避難所に行くと答えた人が多かった。家族だけで連れ出すのは難しい場合もあり、手伝ってくれる人がいなければ取り残される」と危機感を募らせる。初会合ではアンケート結果の詳細も報告する。会合の実行委員長を務める広瀬カズ子さん(74)は「住民主体のネットワークができることで、ステップアップにつながれば」と話す。
 初会合は午前十〜午後四時、板橋区高島平三の高島平区民館。参加費(資料代)は五百円。東京大生産技術研究所の加藤孝明教授の講演もある。問い合わせは実行委のメール=sdgs-itabashi@mbr.nifty.com=へ。

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