総額55.7兆円の新たな経済対策を決定 岸田政権、過去最大の財政支出

2021年11月19日 18時57分

岸田文雄首相

 政府は19日、財政支出が過去最大となる55兆7000億円の新たな経済対策を閣議決定した。民間の投資分なども含めた事業規模は78兆9000億円にのぼる。18歳以下の子どもへの10万円相当の支給などお金を配る政策が柱で規模が膨らんだ。対策実行のためには新たな国債(借金)発行は避けられないが、政府は財源確保の議論は後回しにしている。(坂田奈央)

◆コロナ第1波の支出を上回る

  対策は(1)医療提供体制の確保など新型コロナウイルス対策に22兆1000億円(2)ワクチンの開発支援など危機への備えに9兆2000億円(3)成長戦略や子どもへの給付など分配戦略に19兆8000億円(4)防災と減災に4兆6000億円―の4本柱。国と地方の支出に、国が低金利で貸し出す財政投融資を加えた財政支出は、コロナ第1波に襲われた昨年4月の対策時の48兆4000億を上回った。
 給付政策では、18歳以下の100000円支給で、養育者の年収960万円の所得制限を設けた。このほか住民税非課税世帯には10万円を支給。売り上げが激減した事業者向けには最大250万円を支援する。

◆既存政策の焼き直し目立つ

 そのほかの政策では、安倍・菅政権時代からの焼き直しも目立つ。今回盛り込まれた大学の研究資金や人材育成を支援する大学ファンドのほか、デジタルやグリーン、人工知能(AI)などの研究開発への投資強化などは、過去にも講じられた。マイナンバーカードの新規取得者らへのポイント付与は今回、最大2万円分となった。昨年12月末に停止した観光支援事業「Go To トラベル」も再開する。
 政府は、対策の裏付けとして2021年度補正予算案を26日に、22年度当初予算案を来月下旬に編成し、「16カ月予算」として経費や財源を計上する。新型コロナの感染者数が大幅に減り経済活動が活発化しつつある中で、感染拡大期を超える財政支出を伴う対策には、エコノミストから疑問の声が上がっている。

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