日米一体運用 常態化 安保法 あす施行4年

2020年3月28日 02時00分
 集団的自衛権の行使を解禁し、自衛隊の海外任務を大幅に広げた安全保障関連法が施行されてから、29日で4年となる。自衛隊は昨年、安保法に基づき米軍の艦艇や航空機を警護する「武器等防護」を14件実施した。2018年の16件とほぼ同水準で、自衛隊と米軍の一体的な運用が常態化した。 (山口哲人)
 河野太郎防衛相は二十七日の記者会見で、安保法施行四年に際し、自衛隊による米軍防護に触れ「つなぎ目なく日米が協力し合うという同盟関係を強くすることができた」と述べ、自衛隊と米軍の一体化が進んでいることを強調した。
 昨年の米軍防護十四件のうち、弾道ミサイルの情報収集や警戒監視活動に当たる米軍の警護が四件、共同訓練の際の米軍警護が十件だった。法律上は米国以外の軍隊の警護も可能だが、法施行後の四年間で守ったのは米軍だけだった。
 安保法の施行以前は、平時に武器を使って警護できる対象は自衛隊の武器や施設に限られていた。安保法で「日本の防衛に資する活動」をする米軍などの武器や施設を対象に加えた。
 このほか、安保法では米軍に対する物品、役務の提供も拡大され、弾薬も提供できるようになった。政府は公表していないが、海自艦が日本海の洋上で米艦への補給を行っていることが確認されている。今年一月からの中東への海自派遣でも、米軍とは密接に連携している。日本は防衛省設置法に基づき、護衛艦と哨戒機を中東海域に派遣。収集した情報を米軍に提供し、米軍がバーレーンに置く司令部にも連絡員を送り込んでいる。
 今月十九日には海自七隻目のイージス艦「まや」が就役。同艦は高精度の対空目標情報を味方の艦船や航空機と共有する「共同交戦能力システム」を初めて搭載したイージス艦で「米軍との連接も研究する」(海自幹部)。法律だけでなく兵器や運用の面でも一体化が強まっていく情勢だ。

◆廃止法案 1年審議されず

 主要野党が昨年四月に参院に共同提出した安保法廃止法案は、一年近くたっても審議されていない。多数の議席を占める与党が審議入りを拒んでいるためで、法案を取り扱う委員会も決まっていない。廃止法案は自衛隊法をはじめとする関連法を安保法制定前の状態に戻し、違憲の疑いが強い集団的自衛権の行使などをできなくする内容。立憲民主、国民民主、共産、社民、自由(当時)の五党が提出した。立民、国民、共産、社民は四月の衆院静岡4区補選の統一候補擁立に際しても、安保法制廃止を目指すことで一致している。
 立民の福山哲郎幹事長は記者会見で「安保法施行で日本の安保政策の根幹が揺らいだ。変わらずに廃止を求めて戦う」と語った。国民の玉木雄一郎代表は「集団的自衛権行使の要件があいまいで、国益に直接関係ない戦闘にもかかわらざるを得なくなる懸念が残る」と廃止法案の早期審議入りを求めた。 (大野暢子)

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