「プチプチ」遊び倒そう 気泡緩衝材遊具に変身 立川の屋内広場に大学生ら制作

2021年11月22日 07時00分

緩衝材でできたプチプチ遊具を思い思いに楽しむ家族連れ

 贈り物の梱包(こんぽう)や引っ越しの荷造りに欠かせない気泡緩衝材。プチプチと指でつぶしてストレスを解消したくなる人も多いはず。この気泡緩衝材で作った遊具で思い切り遊べる場所が、立川市の子ども向け屋内広場にお目見えした。体に当たっても痛くなく、思う存分プチプチできる夢のような空間だ。

パンチを繰り出すたびに四方に揺れるサンドバッグ

 屋内広場「PLAY!PARK(プレイパーク)」の真ん中、「大きなお皿」と呼ばれる直径約二十メートルの楕円(だえん)形の遊び場に、巨大な白い物体がずらりと並ぶ。普通の遊具とは異なるユニークな外観で、近づくとおなじみの素材を使っているのが分かる。どうやって遊ぶのか。子どもたちに学ぼうと、動きに目をやった。

遊具の下の「宝物」探しにも=いずれも立川市で

 気泡緩衝材のシートを束ね、天井からロープでつるした遊具はブランコ風。大人数人が同時に乗っても壊れない強度があるという。小金井市の小学三年山田絢音(あやね)さんは「柔らかくて座り心地がいい」と夢中でこいでいた。丸太の形をした遊具はまるでサンドバッグ。子どもたちがパンチやキックを繰り出すたびに四方に揺れる。渦巻き状や棒状に丸めたシートをはだしで踏み続ける子も。遊び方に決まりはないようだ。

遊具の制作に携わった武蔵野美術大生たち

 プレイパークは、JR立川駅北口から徒歩十分の新街区「グリーンスプリングス」内にある約千二百平方メートルの有料の広場で、十二歳以下の子ども向け。デザインを手掛けた建築家手塚貴晴さんが館長を務めている。「未知との出会い」をテーマに身近な素材で遊具を制作し、パークの一角に期間限定で設置している。これまでにトイレットペーパーや新聞紙を使った遊具を生み出してきた。
 新たな素材として気泡緩衝材に白羽の矢を立てたのは、軽さと運びやすさが理由だった。気泡緩衝材を使った創作活動に取り組むファッションデザイナーで武蔵野美術大教授の津村耕佑さんが監修し、同大の学生と手塚館長に学ぶ東京都市大の学生ら約四十人が遊具を制作。九月にオープンした。
 素材はつぶしてもちぎっても大丈夫。遊具はほぼ毎日、学生やスタッフが修復している。パークのキュレーター小栗里奈さんは「子どもが手を加えて新しくする楽しさを大切にしている」と強調する。
 実際、子どもたちの遊び方によって進化した遊具もある。パラシュートの傘に似た遊具はその一つ。滑車のように一方を引っ張ると、もう一方が上下に動く形に変えた。武蔵野美術大四年のキム・ジュアさんは「自分たちが意図した遊び方とは違う方法で子どもたちが楽しんでいて面白い」と話す。同大三年の古閑(こが)晴子さんは「ぼろぼろになったのはそれだけ楽しんでもらった証拠」とも。
 気泡緩衝材は大手メーカー川上産業が提供。愛称の「プチプチ」は同社の登録商標だ。同社によると、「プチプチ」の八割以上は使用済みプラスチックなどの再生原料でできている。パークでは一本約四十メートル(幅百二十センチ)のシートを一カ月に十〜十五本使い、遊具の役目を終えた素材は工作に活用する。「素材は最後の最後まで遊び倒す」(小栗さん)ことも忘れない。
 「プチプチ」遊具は来年3月末まで設置。3歳未満の乳幼児向けの遊び場もあり、利用は保護者同伴で。入場料は平日の1日券は大人1100円、3〜12歳2200円、3歳未満1700円。休日の1日券は大人1100円、3〜12歳2500円、3歳未満2000円など。問い合わせはプレイパーク=電042(518)9627=へ。
 文・佐々木香理/写真・中西祥子、佐々木香理
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