中国当局が幕引き工作? 彭帥選手がIOCバッハ会長とテレビ電話 元副首相からの性的暴行告白のテニス選手

2021年11月22日 22時26分
モニター画面に映る彭帥さんと会話を交わすIOCのバッハ会長=©IOC/Greg Martin

モニター画面に映る彭帥さんと会話を交わすIOCのバッハ会長=©IOC/Greg Martin

 【北京=中沢穣】中国の習近平しゅうきんぺい政権が、女子プロテニスの彭帥ほうすい選手(35)が張高麗ちょうこうれい元副首相(75)に性的関係を強要されたと告白した問題の火消しに躍起だ。一時消息不明となった彭さんの安否に懸念が高まると、国営メディアなどが彭さんのものとされるメールや映像などを次々と公表。21日には国際オリンピック委員会(IOC)が、バッハ会長と彭さんがテレビ電話で会話したと発表した。

◆「プライバシーの尊重を望む」

 IOCによると、彭さんは自身の安否への気遣いに謝意を示し、「北京の自宅で安全に元気で暮らしている。プライバシーの尊重を望む」などと話した。北京冬季五輪に合わせて北京入りするバッハ氏が夕食に招待し、彭さんが快諾したとも明らかにした。
 一方IOCは、性的関係の強要疑惑についてやりとりがあったかは明らかにしていない。30分間のテレビ電話には、中国オリンピック委員会の幹部も同席した。彭さんはなおも自由に発言できない状況に置かれている可能性もある。

◆中国とIOC、利害一致の側面も

 バイデン米政権は、北京五輪に外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を検討しており、習政権は彭さんの問題が広がることを恐れているもようだ。女子テニス協会(WTA)は性的関係の強要についての調査を強く求めているが、バッハ氏は北京五輪の成功を優先させて習政権と足並みを合わせたといえる。
 彭さんは2日、張氏に性的関係を強要された後に不倫関係になったと告白したが、ネット上での書き込みは直後に削除された。中国メディアはバッハ氏とのテレビ電話も含めて一切報じておらず、このニュースを報じたNHK国際放送は一時視聴できなくなった。

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