切断ヴィーナス再び かっこよく美しく 写真集第2弾

2021年11月23日 07時08分

ファッションモデルとして活躍している海音さん

 義足の女性たちの写真集「切断ヴィーナス2」が、今月発売された。パラスポーツを20年以上撮り続ける写真家・越智貴雄さん(42)の作品集で、2014年に続く第2弾。義足を隠すことなくポーズを決めた「ヴィーナス」たちは、自身のありのままを肯定し、美しく光を放つ。

越智貴雄さん

 アスリート、ダンサー、ファッションモデル。看護師に公務員、主婦、高校生もいる。今回の被写体となった27人の本業はさまざまだ。年齢も10代から70代と幅広い。モデルたちと選んだ場所で撮影したポーズ写真や、各地で開いたファッションショーの一幕などが収められている。義足を手掛ける義肢装具士臼井二美男さん(66)の作業風景も織り込んだ。
 ファッションモデルとして活躍する海音(あまね)さん(20)。小学生の時からモデル活動をしていたが、12歳の時に病気になり、右脚を切断した。「見られるのは嫌」と義足を隠していたが、2年前の秋に撮影が始まると、以前の感覚を取り戻していった。「シャッターを切る度に変わっていった」と越智さん。人前で初めて義足を見せたのは、昨年8月のショーでのこと。今年の東京五輪の閉会式では国旗を持って歩き、パラリンピックの開会式にも出演した。
 パラリンピックの陸上に出場した前川楓さん(23)は、中学3年生で右脚を事故で切断。義足になった時、第1弾の写真集に登場した義足モデルのGIMICOさんの存在を知った。「めちゃかっこいいやん」と気づき、「見せても良い」と考えるようになった。3年前からショーに出演し、アスリート以外の活動の幅を広げている。

東京パラリンピックに陸上代表で出場した前川楓さん

 義足を見せないという選択もある。今回も「『見せても良いのかな』という迷いの中で来た人もいた」と越智さんは明かすが、「ここ数年で『見せるのもあり』と思われるようになってきている」と実感を語る。「これだけかっこよく、美しく魅力的に義足をはきこなしているのはすごい。自信がなければできない」
 写真集はB5判、税込み3520円。インターネット書店などで販売中。

パラ・クライミング選手の渡邉雅子さん

娘とともに撮影に臨んだ村上清加さん

東京パラリンピック開会式にも出演したダンサーのキャロットyoshieさん

 写真はいずれも越智貴雄さん提供
 文・神谷円香
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