渋沢、箱根の足跡 「青い目の人形」抱く写真など貴重な資料 28日まで企画展

2021年11月23日 07時30分

箱根の開発と渋沢の関わりを紹介する企画展の様子

 箱根町役場隣の町立郷土資料館は二十八日まで、企画展「箱根を拓く−渋沢栄一と箱根−」を開催している。「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢は、旧三井物産を創設した益田孝らと箱根温泉供給株式会社を創業。東京・田園調布を参考にしたとされる、温泉付き別荘分譲事業も手掛けるなど、箱根と縁が深い。渋沢に関する箱根での本格的な企画展は初という。

青い目の人形と渋沢栄一(渋沢史料館蔵)

 両事業が実現する少し前に渋沢は亡くなるが、大涌谷の火山ガスに地下水を混ぜて造成する温泉を、周辺の宿や別荘へ送る送湯網を巡らし、自然湧泉が少ない仙石原一帯を一大高原リゾートへ変える基礎を築いた。
 企画展は、渋沢と益田らが明治初期、最先端の西欧式牧場を仙石原で開業し、牛乳が全国の牛乳番付で東の大関になったことや、牧場廃業後の広大な跡地が観光開発された歴史を説明。当時の温泉造成施設など、温泉供給が成立する各種資料を初めて紹介した。

町立小学校に残る青い目の人形=いずれも箱根町で

 地元の町立小学校に残る「青い目の人形」二体も展示している。人形は渋沢の友人の米国人宣教師が、帰国後の昭和初期、高まる反日感情を心配し、日米友好を願って日本へ贈った一万二千体超の一部。敵国人形として戦争中に大半が処分されており、箱根の二体は渋沢の日米親善への思いを伝える貴重な史料だ。
 学芸員の菊田祥子さんは「箱根の開発に渋沢がかかわったことを広く知ってほしい。芥川龍之介が牧場のヨーグルトを宣伝した意外な資料もある」と話す。入館料は一般三百円など。水曜定休。問い合わせは資料館=電0460(85)7601=へ。(西岡聖雄)

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