土浦産そば焼酎、ブランドに コロナで需要減 生産者支援 市で開発、素材の香り生かす

2021年11月23日 07時43分

酒店で販売されている「土浦小町」=いずれも土浦市で

 土浦市産の常陸秋そばを使った初のそば焼酎「土浦小町」の販売が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う飲食店の営業自粛でそばの卸売りが低迷する中、だぶついた原料のそばを活用し、生産者を支援するのが狙いだ。「まろやかでおいしい」と消費者の反応は上々。開発を進めてきた市の担当者は「知名度アップを図りながら、新たな土浦ブランドに育てたい」と意気込む。(林容史)
 同市は、新治地区を中心に常陸秋そばの優良産地。そば焼酎は、同地区内にある市農業公社が企画し、製造と販売は、水戸市の酒造会社「明利酒類」に委託した。
 市内の生産者が収穫したそばの実を使用し、今年五月から仕込み作業を開始。十月に瓶詰めした。初年度の今年は二千二百本を製造する計画だ。
 七百二十ミリリットル入りで税込み千五百円。今月一日に発売され、県内のスーパーや百貨店、酒店、同地区の観光施設「小町の館」、市役所一階の「観光情報物産センターきらら館」などで取り扱っている。
 黒いボトルに黒いラベル、金文字で名前を入れたシックなデザインに仕上げた。銘柄は、市内の小野地区に残っている小野小町伝説にちなんだ。
 JR土浦駅と接続する商業施設プレイアトレ土浦に「IBARAKI 佐藤酒店」を構えるサトウの佐藤栄介専務は「そばの香りが残っており、素材の良さを生かしている。伸びのある優しい味わいがある」と評する。お薦めは、ロックやソーダ割り、寒い季節にはそば湯割りなど。「そば店など市内の飲食店と連携を図れば」と提案する。

土浦市農業公社に納入された常陸秋そば

 農業公社はそばの生産振興を目的に、契約農家から毎年、三十トン前後の新そばを仕入れ、そば店チェーンや高速道路のサービスエリアのそば店に卸してきた。
 二〇二〇年産のソバは豊作だったものの、コロナ禍で飲食店の営業や外出の自粛が続き、公社の販売数量は前年の半分、販売価格も二〜五割ほど安かった。生産者は、売れないそばの原料を在庫として抱えた。
 そこで公社と生産者が「新たな加工品が作れないか」と相談。生産者側から「そば焼酎ならいけるのでは」と打診された。
 市農業公社の露久保浩主任は「土浦の名を冠した酒を県内外に発信したい。今後は、よりソバの香りが強く、アルコール度数が高い焼酎をつくってみたい」と話している。

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