立候補断念した市民の自宅、強制的に取り壊される 中国当局による圧力か

2021年11月23日 21時14分
北京市朝陽区十八里店で17日、がれきとなった自宅跡で憤る李海栄さん=中沢穣撮影

北京市朝陽区十八里店で17日、がれきとなった自宅跡で憤る李海栄さん=中沢穣撮影

 【北京=中沢穣】中国の地方議会にあたる人民代表大会の代表選挙に立候補を表明し、当局の圧力で立候補断念に追い込まれた北京市民2人の自宅が、当局の進める再開発に伴って強制的に取り壊された。立候補との因果関係は不明だが、当局による圧力の可能性もある。
 2人はかいえいさんとかくけいぞうさん。11月5日の代表選挙に当局の支持を受けない独立候補として立候補表明した14人に加わっていた。李さんによると、2人の住む北京市朝陽区18里店では10年前から再開発計画が持ち上がった。当時は1800戸近くがあったが、10月末時点では当局の補償を受け入れない李さんら三十数戸まで減っていた。
 李さんらが当局側との話し合いを進めていた最中の12日、李さんらの自宅は当局者や開発業者ら数百人に囲まれた。李さん夫妻が警察に通報に向かったすきに取り壊された。家財道具も持ち去られ、「(毎日服用する)薬も貴重品も何もない」と涙を流した。
 李さんの立候補表明は、立ち退きをめぐる当局の対応に不満を持ったことがきっかけ。李さんは強制的な取り壊しは「裁判所の許可もなく、法的な根拠は皆無だ」と憤る。周辺の住宅もすべて取り壊され、連絡が取れない住民もいるという。

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