<差別なき社会へ>「川崎市の反ヘイト条例は宝」 韓国総領事館がシンポ 在日の崔さん講演

2021年11月24日 07時13分

「在日の子どもたちがルーツを隠さず堂々と生きられる社会に」とシンポジウムで訴える崔江以子さん(左から2人目)=川崎区で

 各地で進む反差別条例制定の動きなどから差別解消を考える講演会「地域から人種差別をなくそう〜条例制定の現状と課題」が23日、川崎市内で開かれた。在日コリアンで多文化共生施設「市ふれあい館」館長の崔江以子さん(48)が、ヘイトスピーチに全国で初めて刑事罰を設けた市条例に触れ、「川崎の条例は宝。この希望を全国に届けたい」と述べた。(安藤恭子)
 駐横浜韓国総領事館などが主催。基調講演をした崔さんは、在日コリアンが多く暮らす桜本地区の小学校に韓国・朝鮮の農楽「プンムルノリ」やキムチ作りが根付いていると伝え、「違いは豊かさ。小さな多文化共生の実践を積み重ねてきた」と話した。
 同地区が標的とされた二〇一六年のヘイトデモの映像を示し、「この時のような『死ね』『殺せ』の街宣は市内でできなくなった。市の条例が法律を凌駕(りょうが)し、差別を犯罪とした意義は大きい」と指摘。次は国が法律をつくる番とし、「子どもたちがルーツを隠さず、胸を張って生きられる社会の実現を」と呼びかけた。
 パネル討論では愛知、沖縄、秋田各県や相模原、浜松両市で、反差別条例制定の動きが進んでいる状況なども報告された。
 元自民党参院議員の斎藤文夫・川崎市日韓親善協会会長があいさつし、「日韓には不幸な歴史がある。祖国からやむなく来られ、戦後共に地域の復興発展に尽くしてきた方々の立場を考えれば、なぜ『帰れ』なんて言えるのか。無理解な一部の日本人を残念に思う」と嘆いた。

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