「聞く力」強調も…沖縄の民意軽視、岸田政権も変わらず 辺野古の設計変更不承認で対抗措置へ

2021年11月25日 20時56分
岸田文雄首相

岸田文雄首相

 沖縄県の玉城デニー知事が25日、名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、埋め立て予定海域の軟弱地盤対策の設計変更を不承認としたことで、国と県の対立が再び先鋭化した。防衛省は近く対抗措置を講じる見通しで、法廷闘争は避けられない。岸田文雄首相は「聞く力」を強調するが、新基地に反対する県民の声を軽んじる姿勢は、民意無視と批判された安倍・菅政権と変わらない。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる辺野古新基地に関し、県民の多くが反対の民意を示してきた。玉城氏は2018年9月の知事選で、建設阻止を訴えて過去最多票を獲得して初当選。海上埋め立ての賛否を問う19年2月の県民投票では、反対が7割を超えた。
 だが、政権側は「辺野古移設が唯一の解決策」と工事を強行。政府高官は「これまで県の意見はずっと聞いてきたが、見解の相違は埋まらなかった。(計画を)前に進めないといけない」と、対話に否定的だ。
 埋め立て工事は難航して計画より大幅に遅れ、政権側が唱える危険性除去は長く置き去りにされている。日米合意に基づく普天間返還の時期は、1996年に「5~7年以内」とされたものの遅々として進まず、2013年に「22年度またはその後」と先送り。着工後に軟弱地盤が判明し、今は「30年代」にずれ込んでいる。
 その間も米軍の事故は後を絶たず、今月には普天間所属の輸送機MV22オスプレイから金属製水筒が市街地に落下していたことが明らかになった。過重な基地負担を強いられる県民の我慢は限界に達している。
 玉城氏は設計変更の不承認を発表した記者会見で「政府が十分な説明を行わないまま一方的、強権的に工事を強行する姿に不安、憤り、悲しみを感じる県民、国民も数多くいる。声の一つ一つに耳を傾け、思いに全身全霊で応える」と訴えた。(山口哲人)

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