日芸映画祭、上映作で「ジェンダー・ギャップ」映し出す 12月に渋谷で

2021年11月26日 07時16分

「ジェンダー・ギャップ」をテーマに開く映画祭のポスターを見ながら話し合う学生ら=練馬区の日大芸術学部で

 日本大学芸術学部映画学科の三年生が自主的に企画する恒例の「日芸映画祭」が十二月四日から十日まで七日間の日程でユーロスペース(渋谷区円山町)で開かれる。十一回目の今回のテーマは「ジェンダー・ギャップ」。男女の性差をめぐって起こるさまざまな問題を描いた古典の名作から最新作まで、国内外の十五本を計二十八回、上映する。(小松田健一)
 古賀太教授(映画史)のゼミに所属する学生十九人が、フィルムを借りるための配給会社との交渉から映画館での上映作業まで、すべて自前で行い、実践的な映画ビジネスを学ぶ。
 テーマは性的指向の多様化や性自認への関心が高まる中で「LGBT」や「強い女性」も候補に挙がった。二月に森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会会長(当時)の女性蔑視発言で男女差別の根強さを突きつけられ、ジェンダー・ギャップになったという。
 上映作は個性的な作品が多く、中国で一九三五年に製作され、女性の自立を描いた「新女性」は今回、唯一の無声映画で、プロの活動弁士と三味線奏者を招いての開演となる。女性差別が根強いサウジアラビアの「少女は自転車にのって」は、女性が自転車に乗ることが好ましく思われない国で奮闘する少女の姿を、女性監督が描いた。
 ホテルの女性スタッフが受けたという実際のセクハラ事件をもとにした「ある職場」は今回が初の劇場上映となる。会員制交流サイト(SNS)が被害者側をも攻撃する凶器となるなど、現代的な側面をモノクロで表現した異色作だ。
 リーダーの林香那さん(21)は「映画での男女の描かれ方が、性差の固定を普通のことだと思い込ませてきた部分もある。複数の作品を見て比較してほしい」と話す。増本力丸さん(20)は「古い日本映画には女性が男性に対して一歩引くシーンが少なくない。女性観や世相が分かる。自分も無意識にそう考えていないか気になる」と話した。
 前売りと当日券がある。全席指定で各回入れ替え制。一部の作品では上映後に監督や出演者、映画研究者らのトークショーもある。詳細は「ジェンダー・ギャップ映画祭」で検索。

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