川崎市の地域文化財 新たに31件 セエノカミ(麻生区)、射的祭(多摩区)

2021年11月26日 07時17分

市の地域文化財に選ばれた「長尾神社射的祭」

 川崎市教育委員会は、市民の生活や風土を伝える貴重な地域文化財として、麻生区の「川井田の辻のセエノカミ(賽(さい)の神)」や多摩区の「長尾神社射的祭(まとうさい)」など31件を選定した。法令や条例に基づく指定がされていない文化財を対象に2017年に設けられた顕彰制度で、地域文化財は計190件になった。(安藤恭子)
 有形民俗文化財のセエノカミをはじめ、麻生区岡上地区から地蔵菩薩(ぼさつ)や巡拝塔、各地区のどんど焼きなど十四件が文化財に選ばれた。セエノカミは、邪悪なものの侵入から地域を守る「道祖神」の役割を果たす。わらぶきの覆いは毎年地域で取り換えているという。
 無形民俗文化財に選ばれた長尾神社射的祭は、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る一月の伝統行事で、江戸後期から記録が残る。このほか有形文化財に遊牧民族の円形の「ゲル」を模した一九五五年建造の住宅兼診療所「旧神谷歯科」(麻生区)、校庭に植わるウメ・マツ・フジの木のそばに「節義、誠心、理想」の校訓を刻んだ「御幸中学校三樹苑(えん)記念碑」(幸区)なども選ばれた。

市の地域文化財に選ばれた「川井田の辻のセエノカミ」=いずれも市教委提供

 動植物などが対象の記念物には、樹齢千年と伝わる「稲毛神社御神木大銀杏(おおいちょう)」(川崎区)を認定。一九四五年の空襲で焼けた被災樹木としての歴史もある。
 市教委が市内の社寺や町内会・自治会などからの推薦を基に選んだ。来春にもガイドブックにまとめるほか、ホームページでも公開する。「文化財ボランティアの協力も得て、いずれガイドツアーも検討したい」(文化財課)としている。

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