「推し活」消費が盛況 アイドルやスポーツ選手への応援出費惜しまず<まちビズ最前線>

2021年11月28日 05時50分
 アイドルや漫画キャラクター、スポーツ選手ら自分の一番のお気に入りを意味する「し」。その飛躍を祈り、周囲に広める「推し活」に伴う消費が盛況だ。推しが出るコンサートなどに足を運びグッズを買うのはもちろん、推しの認知度向上のためにインターネットで資金を募り、街頭広告を出す動きも。専門家は「市場規模はさらに広がる」とみる。(石川智規)

フィギュアスケートの羽生結弦選手の推し活をする知野眞依子さん=葛飾区の亀有香取神社で

◆グッズ「値段見ずに払う」

知野眞依子さんの御朱印帳。羽生天神社の御朱印=葛飾区の亀有香取神社で

 「ふだんは家計簿をつけているけど、推し関連だけは値段を見ずに払ってしまう」。フィギュアスケートの羽生結弦選手を推す会社員の知野眞依子さん(30)は、羽生選手が2014年ソチ五輪で金メダルを取るのを見て「沼に落ちた」(好きになって抜け出せないの意)。以来、羽生選手が好きなクマのプーさんや同選手スポンサー企業の商品・サービスを率先して購入。投じた金額は不明という。
 今月は、足を負傷した羽生選手の回復を祈りに葛飾区の亀有香取神社や宮城県の羽生天神社など4カ所を参拝。おさい銭などに計約1万円を投じた。「羽生選手は私の神。彼の活躍を見させていただいている」
 広告代理店の電通で「推し活アナリスト」の肩書を持つ猿渡輝也さん(27)は、「恋愛や崇拝するようにのめり込み、SNSを通じて推しの良さを拡散させるのが推し活」と定義。オタクの行動原理とほぼ変わらないが、「応援のため積極的にお金を使う応援消費が活発」と特徴を挙げる。

◆クラファンで街頭広告

音楽グループ「BTS」の応援広告を見上げる人ら=新宿区新宿3丁目で(ユニカビジョン提供)

 たとえば「応援広告」。韓流アイドルのファンたちがネットを通じたクラウドファンディングでお金を集め、街頭広告を出す例がある。広告会社ユニカビジョンによると約3年前から、推しの誕生日やデビュー日などに街頭広告を出す動きが増えた。最低価格は9万円。担当者は「件数や額は非公表だが、前年比で10倍増」と明かす。
 応援消費は映画でも。「名探偵コナン ゼロの執行人」では、主要キャラクターの安室透を「#100億の男に」とSNSで呼び掛けると劇場に数十回も足を運ぶファンが続出し、全世界興行収入は100億円を突破。「鬼滅のやいば 無限列車編」でも同様の動きがみられた。
 矢野経済研究所(中野区)が10月に発表した「オタク」市場に関する調査によると、推し活関連の市場規模(アニメ分野とアイドル分野の合算)は20年度で約4100億円。猿渡さんは「コロナ禍でエンタメ業界にお金を使う人は増えている。推し活消費は今後も増える」と予測した。

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