海洋放出に反対のネットワーク設立 「反対押し切り、民主主義に反する」 福島第一原発の処理水処分で事故被害者ら

2021年11月26日 17時38分
 東京電力福島第一原発からの汚染水を浄化処理後も、放射性物質トリチウムなどが残る水の海洋放出を巡り、原発事故の被害者らが26日、福島市内で記者会見し、放出反対を訴える「海といのちを守る福島ネットワーク」の設立を発表した。福島県内外の団体と連携し各市町村でタウンミーティングを開き、県が放出反対の姿勢を明確に打ち出すよう求めていく。

処理水の海洋放出反対を呼び掛ける「海といのちを守る福島ネットワーク」の設立を説明するメンバーら=福島市で

 呼び掛け人は福島大教授やコープふくしま県本部長、旅館経営者など12人。原発事故被害者団体連絡会の武藤類子共同代表や、被害者の約5200人が東電と政府に原発事故の責任を裁判で追及している中島孝原告団長らが会見した。
 政府は4月に海洋放出方針を決めたが、武藤さんは「県内自治体議会の7割が反対決議や慎重な対応を求める意見書を可決したにもかかわらず、政府は決定した」と批判。ネットワークの設立について「地球に生きる全ての命の共有財産の海への放出を止めようと、被害当事者ら有志がつながることになった」と説明した。
 中島さんは「事故被害者の福島県民が海洋放出で加害者になるのではと、いてもたってもいられない気持ちになった。多くの反対を押し切って流すのは民主主義国家にあるまじきこと。流さないための方策も含め、議論し直す必要がある」と強調した。(片山夏子)

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