マイナカードの取得促進に1.8兆円 ポイント付与の「アメ」ちらつかせ  補正予算案 

2021年11月27日 06時00分
 2021年度補正予算案には、マイナンバーカードの取得などで最大2万円分のポイントを付与する事業費として、1兆8134億円が計上された。政府の狙いは40%程度にとどまる普及率の向上だが、個人情報漏えいなどの懸念に向き合わず、「アメ」をちらつかせて取得を促す手法に、識者から「本末転倒だ」と疑問の声が出ている。
 この事業では、マイナンバーカードの取得で最大5000円分、健康保険証としての利用登録と、預金口座の事前登録でそれぞれ7500円分を付与する。
 政府がポイントを使った普及促進を図るのは「成功体験」があるからだ。19年度補正予算以降、約3000億円を投じ、今年4月までの申請者に最大5000円分を付与する事業を行ったところ、新たに約2500万人が申請。カード保有者は約5000万人に倍増した。政府は今回の補正予算でさらなる取得者の増加のほか、登録が伸び悩む保険証としての利用や、預金口座との連携を進めたい考えだ。

◆乏しい利用機会 情報漏えいへの不安も根強く

マイナンバーカードの表面(見本)

 ただ、普及率が上がらない背景には、利用機会の乏しさがある。カードを保険証として使おうとしても、専用の読み取り機を設置して利用できる医療機関や薬局は全国で約7%にとどまっている。加えて、個人情報が適切に管理されるのかという不安や抵抗感も根強い。健康や資産といったプライバシーに関わる情報を把握されかねないと懸念する人は少なくない。
 SMBC日興証券の丸山義正氏は「予算はカードの利便性を高めたり、セキュリティーを向上させたりすることに使うべきで、ポイントに充てるのは本来のあり方ではない」と指摘する。(山口哲人)

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