分配を優先、改憲論議には慎重…代表選で見えてきた目指す「立民像」 ウイング拡大や原発には違いも

2021年11月28日 06時00分
 立憲民主党代表選は30日の投開票に向けた終盤戦を迎えた。これまでの候補者4人による論戦からは、今後目指す党の具体像が浮かび上がりつつある。経済成長よりも分配に力点を置いて社会的弱者を支え、改憲を前提とした国会での憲法論議には慎重に対応する姿勢をそろって訴えるなど、政府・与党との対立軸を見いだそうとしている。

立憲民主党代表選に立候補した(左から)逢坂誠二氏、小川淳也氏、泉健太氏、西村智奈美氏

 横浜市内で25日に開かれた候補者4人による討論会。西村智奈美元厚生労働副大臣は経済政策に触れ「医療や介護、保育の現場の方の待遇改善によって、党が目指してきた分配を通しての経済成長が可能になる」と訴えた。
 これまでの論戦では、小川淳也元総務政務官が「この国の政治は、普通に暮らし、普通に働いている人を忘れている」と現政権を批判。逢坂誠二元首相補佐官も「親の所得が十分でなければ、限られた選択肢しか選べない」などと分配優先の方針を主張している。
 経済政策で立民は10月の衆院選から「分配なくして成長なし」を掲げてきた。代表選の各候補はこの路線を引き継ぎ、「成長と分配の好循環」を唱え、企業支援による経済成長を優先する考えの岸田文雄首相とは一線を画す構えだ。低所得層など弱者支援に力を入れる一方、財源確保の手段として富裕層や大企業への課税強化を挙げる。
 多様性社会の実現については、泉健太政調会長が「党の意思決定の場で男女同数を実現する」と明言。他候補も女性の積極登用に意欲を示す。自民党が目指す改憲に関しても、衆参両院の憲法審査会での憲法論議自体は否定しないものの、改憲前提の議論には応じないとの姿勢で一致する。
 4人の主張に合致する部分が多いのは、党公約を掲げた衆院選から間もないことに加え、路線の違いを強調しすぎることで党内分裂を招かないよう、代表選を「チームを強くするための紅白戦」(小川氏)と位置付けている側面もある。
 4人で違いが出たのは、リベラル寄りと受け止められている党のスタンスに関する考えだ。逢坂、小川、泉の3氏は中道保守勢力を取り込む「ウイング拡大」を主張。一方の西村氏は拡大の必要性は認めつつ「外からどう見えるかを気にしていては、本当に必要な政策は実行できない」と疑問を呈する。
 原発についても、ゼロを目指す方向性は4人で共有するが、早期廃止を掲げる逢坂、西村両氏と、限定的な再稼働に理解を示す小川、泉両氏で差がある。(井上峻輔)

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