ノーベル平和賞受賞のエチオピア・アビー首相「戦場で会おう」 国際社会から非難

2021年11月27日 19時53分
26日、国営テレビで放映された軍服姿のアビー首相のビデオ=撮影場所不明、エチオピア首相提供、AP

26日、国営テレビで放映された軍服姿のアビー首相のビデオ=撮影場所不明、エチオピア首相提供、AP

 【カイロ=蜘手美鶴】政府と反政府勢力の戦闘が続くエチオピアで、アビー首相が「戦場で会おう」などと国民に呼びかけ、戦闘を助長する発言を繰り返している。自らも前線にいるとみられ、2019年のノーベル平和賞受賞者のアビー氏に対し、国際社会から非難が相次いでいる。
 AFP通信などによると、アビー氏は22日、声明で「国のために犠牲を払うときだ。祖国のために立ち上がり、ともに戦おう」と宣言。アビー氏の発言を受け、有力議員や著名アスリートなども戦闘への参加を表明し、すでに数百人が戦場に向かったという。
 国営テレビは26日、北東部アファルの戦線にいるとされる軍服姿のアビー氏のインタビューを放映し、同氏は「軍の士気は高まっている。敵を地に埋めるまで絶対に引き下がらない」と語った。

◆米国務省「軍事的な解決策はない」

 アビー氏の発言を巡り、国際社会は強く反発。AFP通信などによると、米国務省は声明で「軍事的な解決策はない」と非難し、国連のグテレス事務総長も「無条件の即時停戦を求める」と述べた。また、国連は26日、これまでの戦闘で数千人が死亡し、900万人以上が食糧支援を必要としていると発表した。
 エチオピアでは昨年秋以降、北部ティグレ州の反政府勢力「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」と政府軍との間で戦闘が続き、10月ごろからTPLFが首都アディスアベバに向かって進軍を開始。約220キロの地点まで迫っている。
 アビー氏は19年、隣国エリトリアとの紛争を終結させたとして、ノーベル平和賞を受賞した。

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