<国吉好弘の埼たまNOW>高校サッカー県予選 堅守の西武台、11年ぶり代表

2021年11月28日 07時35分

全国高校サッカー選手権県予選決勝で、延長までもつれた激闘を制し、抱き合って喜ぶ西武台の選手たち=さいたま市緑区の埼玉スタジアムで

 第100回を迎える全国高校サッカー選手権大会の埼玉県代表は、西武台に決まった。強豪に数えられるが、出場は実に11年ぶり。夏のインターハイには11回出場し準優勝の実績もある一方、選手権では苦戦が続いていた。
 2004年度の第83回大会で初出場し、第88回、89回と連続出場。89回ではベスト8に進んだ。しかし、その後は昌平ら新興勢力の台頭もあり10年超の空白ができていた。
 本年度、西武台は早い時期から好調で、6月の関東大会には埼玉第1代表として臨み、見事優勝を飾った。夏のインターハイは県予選の準々決勝で浦和東に苦杯をなめたが、県内上位校で争うS1リーグでは、まだ1試合を残すものの、無敗で既に優勝を決めている。というように、県内をリードしてきた。
 選手権の予選では、1回戦はシードされ、2回戦で花咲徳栄を8−0、3回戦では埼玉栄を2−0と順調に下した。準々決勝の相手は、昨年度まで2年連続全国出場の昌平と予想され、最大の関門と見られた。しかし、勝ち上がってきたのは、粘り強い戦いで昌平を退けた武蔵越生。勢いに乗る相手だったが、西武台は2−1で退けると、準決勝では名門復活の兆しを見せていた武南に前半で4ゴールを決め、圧倒した。
 決勝は、県内屈指の伝統校、浦和南との対戦となった。名将・野崎正治監督に率いられ旺盛な闘志と高い集中力で挑んでくる相手に苦戦し、0−0のまま延長戦に突入。その後半、残り時間3分というところで、右サイドのスローインからボールを受けたMF丸山実紀が上げたクロスに、逆サイドから走り込んできた左サイドバックの安木颯汰がヘッドで合わせ、浦和南の堅陣を破った。
 西武台を率いて35年目の守屋保監督は、試合直後に「まだ成長過程のチームなので、さらに成長していきたい。技術的にも精神的にも経験的にも、すべてを上げていきたい」と落ち着いて語り、11年ぶりの出場を果たした喜びよりも本大会を見据えていた。
 西武台は、予選の優秀選手にGK浅沼李空、DF安木、原田蓮斗、武笠隼季、FW市川遥人と5人が選ばれ、うち4人が守備ラインの選手であるように、まず堅い守りが特徴。中盤では岡田瑞生を中心に右の丸山、左の山本匠馬がハードワークし、トップ下の和田力也がテクニックを生かし変化をつける。両サイドバックの攻め上がりも効果的だ。つくったチャンスをエースの市川が仕留めるのがパターンだが、決勝では安木が決めたようにどこからでも点を取れる。ヘディングの強いセンターバック河合陸玖もセットプレーからよく得点する。
 また、決勝戦では市川と2トップを組む相棒として細田優陽がプレーしたが、準決勝では松原海斗が先発に起用されて貴重な追加点を挙げる活躍を見せ、遜色ない。各ポジションに適材適所の人材が配されてチームとして機能しているのが強みだ。守屋監督は映像分析を駆使してトレーニングの目的や意図を理解させる指導をしており、それが選手を成長させているのだろう。
 昨年度の選手権でほとんどノーマークながら優勝した山梨学院は、長谷川大監督が科学的な分析を用い、選手を適材適所に配していた。西武台もこれに続きたいところだ。
 今回の準決勝、決勝の会場は、埼玉スタジアムから新しい国立競技場へ戻る。ここにたどり着きたい。(サッカージャーナリスト)

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